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ハイチに伝わる「ゾンビ伝説」。生ける屍の発祥の秘密とは?

夜空
 
「生ける屍(しかばね)」として、アメリカやヨーロッパ、日本でもメジャーな存在であるゾンビですが、実はもともとは宗教的な儀式をベースにした存在であり、その後幾度か映画化された中にも、背後には宗教的な思想的を含んでいることはあまり知られていません。ここでは、ゾンビ発祥の秘密について、ご紹介します。

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そもそもゾンビとは?

現在ではキーワードとして結構メジャーな存在となっている「ゾンビ」ですが、そもそもどういった意味合いを持つものなのでしょうか。ベースの定義としては、「何らかの力を持って死体のまま蘇った人間の総称」といわれています。この「なんらかの力」というところに、ゾンビのそもそものルーツが隠されています。ゾンビは、とある国の宗教儀式を下敷きにして生まれたものなのです。

 

ルーツはブードゥー

ゾンビのルーツとなっている宗教を、「ブードゥー教」といいます(「ブ」は、日本語のカタカナでは「ヴ」と表現されることもありますが、ここでは「ブ」で表記します)。もとはアフリカはコンゴで信仰されていたという「ンザンビ」という言葉が語源になっているとのことで、「ンザンビ」は「不思議な力を持つ存在」の総称としての意味合いを持っていました。コンゴに住む人達が、奴隷として他の国々に「ンザンビ」の考え方を持ち込み、現在の「ゾンビ」のキャラクターが作られていきました。

 

映画ではハイチが舞台になっている

「ンザンビ」の存在が持ち込まれ、その後土着的な信仰としてもっとも浸透した国のひとつが、カリブ海の島国「ハイチ」です。実際、いくつか作られたゾンビ映画の中で、イタリアの作品ではこのハイチが舞台になっていました。ベースにあるのがブードゥー教です。

「ブードゥー」という言葉にも意味があり、ハイチや西アフリカでは「ヴォトン」という言葉で語られていて、もとの意味は「精霊」です。ゲルマン民族やケルト民族の間で語られている「妖精伝承」に近い存在であることがおわかりかと思います。「精霊」の考え方がキリスト教にも見られるように、ブードゥー教は、強制的につれてこられた土地に既に存在していたキリスト教に、もともと移民が持っていた土着信仰がミックスして成立していった考え方である、と思われます。

そんな中で、キリスト教でいうところの「精霊」と、ブードゥー教の「精霊」とでは、かなりキャラクターに差があるところは、伝承してきた人々のベースになる思想をあらわしているようで、非常に興味深いところです。

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カテゴリ: その他

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