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中国から来た河童と日本の河童(1)河童と孫悟空の共通点

カッパ

 

ほぼ日本全国にその伝承があるとされる河童は、東日本と西日本でその起源が分かれると言われています。西日本では主に中国から伝わって来た妖怪で、東日本では日本で生まれたものという説が多いのだとか。

 
九尾の狐など河童以外にも中国から渡って来た妖怪は多くいるのですが、どうして河童は中国から渡って来たものと日本起源のものがいて、かつ全国各地に散らばっているのでしょうか。
緑色の身体で背中に甲羅、頭にはお皿があってクチバシのような尖った口という、一般に知られる河童の姿も実はそれ以外にも色々あって、河童の由来や起源と大きく関わりがあるようです。

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大陸からやってきた水神・河伯

九州地方で河童の異名で、または河童と同類の妖怪とされる「ひょうすべ」の起源は、中国の戦いの水の神「兵主神(ひょうずのかみ)」とも考えられていますが、それ以外にも河童の起源ではないかとされる中国神話の神がいます。それは「河伯(かはく)」という名で、黄河の水神だそうです。

 
河伯は人間の姿をしていますが、ときには白い龍であり人の頭に魚の身体であるとも言われています。もとは人間であったのが黄河で溺死して、または仙人となって河伯という水神になったと伝えられ、女性の生け贄を求めますが、その生け贄が絶えると黄河に洪水を起こすのだそうです。

 

河伯=カッパ

この河伯が日本に伝わって河童になったという説があり、河伯と書いてカッパと読ませる場合もあります。
その本来の姿からすると河伯は龍神だと思われますが、河童が水神の眷属(けんぞく=その神の配下または関係するモノ・動物)と考えられたことから、河伯=河童となったのかも知れません。ちなみに「西遊記」に登場する三蔵法師の家来の沙悟浄は、日本では河童の姿で描かれますが本来はこの河伯です。
ですから沙悟浄は実は龍ということになるのですが、三蔵法師が乗る白馬の本体も「玉龍」という龍ですので、なんだかややこしくなってしまいます。

 

 

河童のイメージは猿猴からつくられて来た??

西遊記と言えば主役は孫悟空ですが、孫悟空はもちろん猿ですね。
この孫悟空が戦う同じく猿の妖怪に「通臂猿猴(つうひえんこう)」というものが出てきます。猿猴はサル(中国では主にテナガザル)のことですが、通臂とは左右の腕が別々ではなく身体の中で1本につながっているという意味で、右腕を伸ばせば左腕が短くなるということで、腕をその長さ以上に伸ばすことができるのです。

 
この通臂猿猴という妖怪が、河童になったという説もあります。四国や広島県、山口県では河童を「エンコー」と呼び、そのもとは「猿猴」というサルに似た全身毛むくじゃらの妖怪です。
イエズス会が1603年に発行した「日葡辞書(にちほじしょ)」や江戸時代中頃の「和漢三才図絵」に記述された河童は、サルに似た生物として解説されていますが、この猿猴がもとになっているのかも知れません。

 
ちなみに、河童の両腕も身体の中で1本につながっているとされており、片方の腕を引っ張るとそのまま抜けてしまうと言われています。また中国では河童のことを「水猴子」という名の「水鬼」だと言い(中国で「鬼」は幽霊や妖怪のこと)、水の中にいるサルの妖怪といったところでしょうか。

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