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へび女「メドゥーサ」のエピソードに潜む人間の心理とは

怖い話
 
ギリシャ神話には人間心理をデフォルメしたともいえるさまざまな姿をした「半人半獣」キャラクターが登場しますが、なかでもひときわ異彩を放っているのが「へび女メドゥーサ」です。ギリシャ神話では、ゴーゴン(またはゴルゴン)3姉妹の三女として描かれているへび女メドゥーサですが、どのような特徴や物語を持っているキャラクターなのでしょうか。

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メドゥーサの特徴

まず特徴的なのが、「髪の毛がすべて毒蛇で構成されていること」です。ルーベンスの絵画「メドゥーサの頭部」をはじめ、絵画や映画でも頻繁に描かれている姿なのでご存知の方もおられるかと思いますが、相当に異色な姿をしています。また、「その目は、見たものをすべて石に変える能力を持つ」であるとか、「イノシシの歯、黄金の翼を持つ」といった、もはやモンスターといっても過言ではないほどの過激な特徴を持つキャラクターです。

 

メドゥーサはなぜ誕生したのか

メドゥーサの誕生エピソードをご紹介しますと、もとは神話で描かれている女神のうちの一人だったのですが、ゼウスという神の娘であるアテーナーよりも「自分のほうが髪が美しい」と言ったこと、海の神ポセイドンの愛人であり、アテーナーの神殿を逢瀬の場所としたことなどから、アテーナーの激しい怒りを買って、先に述べたような過激な姿に変えられてしまった、とのことです。それでもアテーナーの怒りは収まらず、後にペルセウスがメドゥーサを退治するために立ち上がったときにも、退治を後押ししたりしています。結果メドゥーサは、首を切り落とされて退治されてしまいましたが、首から滴るメドゥーサの血液には、死んだ人間を蘇生させる力や、逆に人を殺傷する力があった、ということです。

 

物語に多い嫉妬や羨望、怒り

ギリシャ神話のメデゥーサのエピソードに限らず、多くの神話や童話、昔話、現代の映画や小説などでも、非常に頻繁に取り上げられる題材が「嫉妬や羨望、怒り」です。いつの時代にもこれらのネガティブな感情が原動力になって、大きな変化やドラマ、キャラクターが生み出され続けています。「嫉妬や羨望」、またそれに対する「(神々の)怒り」は、ギリシャ神話で語られるもうひとつの大きなテーマ「人間が神に近づく(日本でも「仏の顔は」といった表現がなされます)」という感情や行動と共に、「人間心理をあらわす典型的な姿」として、また「解決すべきだが完全には解決できないテーマ」として、この先も表現され続けていくことでしょう。

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カテゴリ: その他

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