第六感は説明できる!新説「ピエゾ2遺伝子」とはどんなもの?
人間が持っている「五感」を超える「第六感」が、実はピエゾ2遺伝子の作用によるものである、という最近の学説は、まだまだ検証の余地を残しているものの、多くの人々がその存在を認識しているという「第六感」を説明するための材料としては、注目に値するものである、といえそうです。
ピエゾ2は圧力を受領するたんぱく質?
ピエゾ2というキーワードは、ネイチャーに代表されるような海外の科学誌などでもしばしば取り上げられています。今回の「第六感に関係している」という学説でも、「圧(=外からの刺激)を感知する細胞のひとつ」としてピエゾ2をとりあげ、この「感覚を遺伝的に伝承している要素」がピエゾ2遺伝子である、と述べています。
少し専門的な領域に踏み込んでみると、「圧力を直接受容するのは神経細胞か、または、メルケル盤=メルケル細胞のどちらかであるが、はっきりわかっていない」というのが現代科学のスタンスであったようで、このあたりに踏み込んだ仮説が、ピエゾ2細胞、そしてピエゾ2遺伝子であるようです。
ピエゾ2自体は、「圧力を受容するたんぱく質」とのことです(厳密にはピエゾ2は、圧力がかかるとたんぱく質を変形させてイオンをとおす、つまり圧力を電気に変換する役割なのだそうです)。
ハエの触覚には必要だった?
これまでピエゾ2という、感覚をつかさどるという細胞の一種は、ハエの触覚に存在することが確認されていましたが、人間を含めた哺乳類については、詳細な検証はなされていませんでした。これについての見解が、今回の学説の中で、ピエゾ2の役割として説明されているわけです。
専門的な学術要素がかなり多く、原文は難解かつ複雑で、簡単には理解しがたいものであったようなのですが、少なくとも「ピエゾ2というたんぱく質が、これまで認識されてきた感覚受容細胞の新たな要素として語られている」ことは間違いなさそうです。
また、ピエゾ2の役割が、ハエなどの昆虫だけではなく、人間を含む哺乳類にも機能として遺伝的に伝えられている可能性が高い、ということです。
第六感と無意識
五感が認識できる感覚、つまり脳のメカニズムと直結して意識下に置くことができる感覚だとすると、第六感は、無意識の領域の感覚のひとつである、といえます。
寝ている間に歩き回るという夢遊病や、さまざまな出来事を仮想的に体験する夢のように、肉体のメカニズムの一部が細胞レベルで無意識下におかれる場合があることは、人間の存在においてはなんら不思議なことではありません。
こういった感覚は突然出てきた事象ではなく、生物としてピエゾ2という形で遺伝的に受け継がれてきたと考える方がむしろ自然ではないか、と考えられます。