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ペルー古代アンデスの頭蓋骨手術の真実。当時の技術で可能だったのか?

ペルー頭蓋骨手術

 

今から1万4000年ほど前、現在のペルーにあたる地域に、文字を持たない高度な文明が誕生した、という学説があります。
後にアンデス文明と呼ばれる文明が該当しますが、当初は狩猟を生業とした社会であった、といわれています。
その後農耕や牧畜を身につける時代を経て、インカ文明につながっていくのですが、その道中、現在にも通じる驚くべき医療技術が存在していた、といわれています。
なんと頭蓋骨に穴を開ける手術がおこなわれていた、というのです。

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インカ文明より古い時代におこなわれていた

アンデス文明は、紀元前7500年頃に始まったといわれていますが、文字を持っておらず、記録が残っていないため、正確な時期は判明していません。
ペルー地域発祥の先住民による文化は、1500年代まで続くインカ文明が、スペイン人によって征服されるまで継続するのですが、先に述べた頭蓋骨外科手術は、インカ文明より古い時代におこなわれていた、と考えられています。

 

 

南中央アンデスで発見された遺骨

頭蓋骨への外科手術がおこなわれていたという説が語られるようになったきっかけは、カリフォルニア大学のダニエレ・クリン氏の研究チームによる、南中央アンデスでの古代の遺骨発見でした。
鑑定によると、1000年~1250年頃の遺骨であるとされ、頭蓋骨には、40個以上の穴が開いていた、とのことです。
さらに調査を進めた結果、この地域では、200年頃から、頭部に穴を開けたり、なんらかの外敵によって頭蓋骨が損傷、陥没した人に対して、外科手術によって延命を図ることがおこなわれた可能性が認められたのです。

 

 

棍棒で打ち合う中で発生した頭蓋骨の陥没

頭蓋骨の陥没は、当時の戦争によって起こったのではないか、といわれています。
当時の戦争では、石を投げあったり、棍棒などで打ち付けあったりしておこなわれていたようで、頭蓋骨が陥没するような大怪我を負うことが多かったようです。

 
こういった人々に対し、頭蓋骨に穴を開けるなど、現代の脳外科手術のような医療がほどこされていたのではないか、と考えられています(あるいは宗教儀式によってできた頭蓋骨の傷ではないか、という説も存在しています)。
また驚くべきことに、「一旦陥没した頭蓋骨が、一定期間を経て治癒した形跡が認められる遺骨」も発掘されている、とのことです。
これは、当時の医療が、相当に発達していたことを示している可能性がある、ということです。

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カテゴリ: その他

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