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ラグナロクのストーリー:争いを繰り広げていた二人の神

ラグナロク
北欧神話のストーリーの根幹をなすストーリーに、ある種の整合性を与えていたエッダという文書群のなかで、最終戦争のきっかけとなる争いを繰り広げていたという二人の神、ロキとバルドルは、結果的に「ラグナロク=神々の黄昏」の時期を早めた神であるという位置付けで、北欧神話の中でも重要なキャラクターとして描かれています。

ロキは神でありながら、もとはヨトゥンという巨人族の種族の血をひくものとして位置づけられており、さらにその巨人族は、世の中のあらゆる事象の中で、神という存在に唯一対峙しうる存在である「大自然の象徴」として、最終戦争の二大キャラクターのひとつに数えられています。

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ヨトゥンの根源はギンヌンガガプ

ヨトゥンと呼ばれる巨人族の種族は、北欧神話のストーリーによると、もともとはギンヌンガガプという存在でした。
これは、世界が創造される以前に存在していたという、「巨大で空虚な裂け目」を指しています(このため、日本語訳においては「ギンヌンガの淵」や、「ギンヌンガの裂け目」とも命名されています)。

 
このことからもわかるように、ヨトゥンはもともと「混沌=大自然の存在そのもの」であった、といえます。
このギンヌンガガプをベースに、ユミルという名の巨人があらわれ、その息子と娘がユミルの脇の下から発生し、彼らの脚による交配を経た後、6つの頭を持つという怪物が生まれ、ユミルの息子と娘、そして謎の怪物をルーツにして、のちに邪神であるロキを生むことになった、といいます。

 

 

光の神バルドルとロキの関係

一方、そのロキと対峙することになる神であるバルドルは、北欧神話の中では、光の神として定義されています。
彼は、北欧神話の中でも「最も賢明で、美しい美貌をもつ神」として描かれており、その両親はオーディン(北欧神話の中でも、もっとも高位な主神として位置づけられている神で、「戦争と死の神」との異名を持ちます)とフリッグ(こちらは、「愛と結婚と豊穣の女神」という、一見オーディンとは相容れないような性格付けがなされた女神です)とされ、ロキの悪だくみによって、同じ父を持つ異母弟である盲目の神ヘズ(古ノルド語、アイスランド語においては、「戦い」そのものという意味を持ちます)によって殺されるという、なんとも数奇な運命を辿ります。北欧神話における最終戦争であるラグナロクは、ロキがバルドルを殺害したことによって、より現実味を増すとともに、その時期をより早くした、とされています。

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カテゴリ: その他

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