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ラグナロクが語られる北欧神話のエッダとサガとは

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「ラグナロク」というキーワードは近年ゲームやファンタジーノベルなどで頻繁にとりあげられてますが、もともとは北欧神話に端を発していて、その北欧神話のエピソードのベースとなっているのが「エッダ」という物語です。

エッダは13世紀前後にスカンジナビア半島にて文献にまとめられたものである、という説が有力なのですが、作成時期や背景別に、エッダにもいくつかの種類があるようです。

ここでは、ラグナロク(「神々の黄昏」、「週末の日」といった若干ネガティブな意味合いを持ちます)という概念を含んでいる、エッダという文献を掘り下げていきます。

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古エッダ・新エッダ・小エッダ

エッダという文献群は、もともとは北欧神話の初期の形態を伝えているものなのですが、大きくは3つに分類されています。その内訳は、古エッダ・新エッダ・小エッダになります。

本来のエッダは、1220年頃、アイスランドの詩人であるスノッリ・ストゥルソンという人物が著した詩の教本『エッダ』を指しているのですが、その後さらに古い時代に同じエピソードを取り扱った文献や、周辺のエピソードと思しき小規模の文献も見つかっています。

このことからそれらを区別して、スノッリのものを「新エッダ(「スノッリのエッダ」とも「散文のエッダ」とも呼ばれています)」、新エッダよりも約数十年古いものとされている文献を「古エッダ」、その他の小規模文献を「小エッダ」と区別して、こんにちに至っています。

 

新エッダと並んで重要とされるサガ

スノッリが著した新エッダと同時代に、新エッダと同様に古ノルド語(古北欧語、または古アイスランド語とも呼ばれています)で書かれていたというサガという文献も、北欧神話研究では重要な文献として指定されていて、学術的には新エッダと並んで非常に有名です。

新エッダとサガはどちらも中世アイスランドで成立した文献であり、スカンジナビア半島に古くから伝わっている伝承をベースに、中世アイスランドが栄えていた13世紀前後にこの地に上陸した、キリスト教の影響を色濃く受けています。

新エッダのほうがどちらかというとゲルマン民族、つまり人間にスポットを当てた神話や英雄伝説を主に描いていることに対し、サガのほうはノルウェーやアイスランドで同時代に起きていた事象や出来事をベースに描いているため、同じ事象でも若干ニュアンスを違えて著されています。

サガが持つ属性から転じて、人間の一族の栄華盛衰を抒情的に描いているような物語自体が「サーガ」という言葉で呼ばれたりしています。

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カテゴリ: その他

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