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かつて生命体が存在した証拠?火星の地下水脈の謎

火星

1976年7月、火星にアメリカの探索機であるバイキング1号が降り立ち、地球に火星の地表写真が送られてから数十年、現在では火星の空の色は、地球の夕焼けのようなイメージで浸透していますが、最初に送られてきた画像では、地球と同じように水色だった、といいます。
「画像の補正ミス」と発表された後、現在に至るまで「火星の空はピンクまたは赤色」ということが定説になっていますが、火星の空の色が、大気や水の存在を思わせる「水色」であった可能性、また水自体が存在している可能性はあるのでしょうか。

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2004年に発見された地下水脈の痕跡

2004年、NASAの火星無人探索機であるオポチュニティが送ってきた映像によると、かつて水が存在していた痕跡が、地下水脈という形で認められた、といいます(鉱物や岩石から、水が存在していた痕跡を見つけ出すことができたそうです)。

 
その後も火星の別の場所で、同様に水の存在の痕跡が発見されています。まだ探査途上であるため、水の存在についての結論は出されていないものの、複数個所で同じような「水が存在した痕跡としての鉱物や岩石」が見つかっていることで、水は広範囲に存在していた、つまり水脈のようなものがあった可能性が高まった、といえます。生命体は、「水があれば、酸素がなくとも生きていくことができる(真空パック状態においても、細菌が繁殖可能であることからもわかります)」、といわれていますので、生命体存在の可能性も、同時に高まります。

 

 

液体の水が今も存在している?

さらに2010年には、NASAの火星探査機マーズ・リコネサンス・オービターが、火星のくぼ地であるコプラテス・カズマという場所に、いくつもの黒い筋が写った映像をとらえています。
この筋はさまざまな憶測を呼び、その中には、「化合物を含む液体の水が流れたことでできた筋ではないか」という説も含まれていました。科学雑誌「ネイチャー・ジオサイエンス」に掲載された論文によると、火星の水は特定の季節にのみ地表にあらわれて、斜面を形成するところに黒い筋を残している、としています。

 
この水は、現時点では「生命体が存在するために必要な化合物を含んでいるのかどうか」は判明していませんが、少なくとも「地表の黒い筋の発見」以前よりも、生命体存在の可能性は高まっている、ということはいえそうです。ただし、実際に水を採取する段階にまでは至っておらず、「黒い筋は、水がしみ込んでできたものとすることが、仮説として最も妥当である」、というところに留まっています。2030年に予定されている「火星有人探索」の実現と、現地での水の存在の調査には、大いに期待したいところです。

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カテゴリ: その他

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