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王妃の谷~エジプト・王家の谷の裏側に佇む王妃たちの岩窟墓群

王家の谷
 
古代エジプトの王達が眠るとされる、エジプトはナイル川周辺にある王家の谷では、過去にあった盗掘や、経年劣化による破損などにより、その全貌が解明されてはおらず、今も学術研究が続けられている、貴重な古代の遺跡になります。この王家の谷の近くには、王妃の谷という類似した岩窟墓群が存在しています。

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王の妻達が眠る場所

王家の谷が古代エジプトの歴代の王が葬られていることに対し、王妃の谷には、王の妻達が多く埋葬されています(王家に生まれた子供達の墓は、王家の谷と王妃の谷の両方で発見されているようです)。時代的には王家の谷に眠る王達と重複していて、古代エジプト時代の分類における、エジプト第18王朝、エジプト第19王朝、エジプト第20王朝の王妃や王子が葬られている、とされています。

 

王妃ネフェルタリの墓

王妃の谷に葬られている古代エジプトの王の妻の墓の中でも、もっとも知られた存在なのが、古代エジプト第19王朝の3代目の王(ファラオ)である、ラムセス2世の第1王妃のネフェルタリの墓です。当時のエジプトでは王の妻は複数人いたとされていますが、その中でも最も愛されていたことが、王妃の谷にあるネフェルタリの墓の豪華なつくりによっても知ることができます。ネフェルタリはその美しさと聡明さから、ラメセス2世から惜しみない寵愛を受けていた、とのことです。

 

王妃の人となりを映すのは墓の様子のみ

ネフェルタリ王妃は、王妃の谷にある墓の様子から、ラメセス2世に特に大事にされていたことがわかるものの、生い立ちや王妃としての功績を示すような記録がほとんど残っておらず、詳細はわかっていません。しかし子供は5人いたとされ、しっかり家庭を守って円満に暮らしていたと思われ、そのおかげでラメセス2世は90歳の長寿を全うした、といわれています。

ネフェルタリ王妃の墓の他にも、王妃の谷ではおよそ80基近い墓が発見されていますが、前述のネフェルタリ王妃の墓の他にも、アメンヘルコプシェフの墓やカーエムワセトの墓といった王子の墓(ラメセス3世の王子とされています)や、第20王朝時代の王妃であるティティ王妃の墓などが存在し、そのいくつかは現代のエジプトにおいても見学することが可能です(改修、修復などにより、見学できる対象は変化しています)。

王妃の谷は、王家の谷付近にある岩山のちょうど反対側に作られていて、崖を伴った岩山を越えなければならないため、岩山をも割り込んで見に行く必要がある、とのことです。

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カテゴリ: その他

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