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伝説上の動物・麒麟。その存在が日本でここまで浸透した理由とは?

山
 
代表的な「伝説=想像上の動物」のひとつとして、麒麟(キリン)が存在しています。日本でもビールメーカーのマークになったりしている麒麟ですが、もとは中国発祥の伝説の動物とのことです。ここでは、この麒麟について、日本を含めて何故これほど浸透したのか、という切り口で、麒麟の存在を考察していきます。

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龍の頭部に鹿の胴体

その姿は「龍の頭部に鹿の胴体」、「角が生えている」といった非常にユニークなものであるにもかかわらず、それほど異様な雰囲気は放っておらず、むしろ「こんな動物がいてもおかしくないのではないか」という印象を持つくらいに、多くの人がナチュラルな存在に感じています。麒麟は、もともとは中国の神話に「獣類の長」として登場する霊獣で、中国では今もさまざまな場所にその肖像がまつられています。性格付けもなされているようで、非常におとなしく、また殺生を嫌う性格である、といわれています。

 

麒麟とキリン

中国で2000年近く前に著された「礼記(らいき)」という書物には、既に麒麟が登場としているといいますから、中国の長い歴史においても非常にスタンダードな動物といえそうです。日本では、動物園にいる、黄色く大きい「キリン」という実在の動物と同じ名前(読み)をもっているのですが、この由来は1400年代にキリンがアフリカから中国に紹介された際に、中国のときの皇帝が「麒麟に似ている」と考えたことが記録に残っており、このエピソードが日本名の「キリン」が定着したもとになっている、といわれています。現在の中国では、動物の「キリン」は日本語でいうところの「キリン」とは異なる名称で呼ばれているとのことです。

 

「寿命が千年」というところから考える

伝説の霊獣である「麒麟」が、日本を含めてこれほどまでにメジャーな存在になって理由を考えてみると、麒麟の特徴である「長寿」が浮かび上がってきます。一説によると「千年生きる」といわれており、このあたりは日本でいうところの「鶴や亀(千年、万年生きる)」と同じように、縁起ものとしての評価が高いことがうかがえます。人間は太古の昔から「長寿」を願っていることから、普遍的な欲求のあらわれから浸透していったことが考えられます。また、中国では(一部日本でも)非常に聡明な子を指して「麒麟児」と呼びますが、麒麟には「頭が良いことの象徴」としての意味合いもあり、そのことも麒麟という霊獣が幅広く世代や年代を越えて人々に浸透していった理由になっているのではないか、と思われます。

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カテゴリ: その他

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