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ストックホルム症候群とは?…人間の心理状態は謎に満ちている!

不思議体験
 
人間心理というものは、常識では計り知れない部分を多く持っています。嫌っていた相手のことを好きになったり、またその逆が起こったり、長く一緒にいたことで情が移ったような状態になったり等、事例には事欠きません。まして極限的な状態におかれた場合には、心理的に何が起こるのかは未知数です。ここでは、極限状態で起こる「ストックホルム症候群」について考察していきます。

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ストックホルム症候群の由来

この症状は、1973年8月に、スウェーデンの首都ストックホルムで発生した銀行強盗立てこもり事件に由来しています。この事件では、犯人が銀行内にいた4人を人質に5日間立てこもったのですが、極限状態におかれた人質が、犯人に共感するようになった、というのです。当時この心理を分析した医学博士が「死ぬかもしれないような極限状態では、人は加害者からの小さな親切にも感謝するようになる。さらに、外の世界(この場合は銀行の外)に対して、軽蔑の気持ちを抱くようになる」と報告しています。にわかには信じがたい心理なのですが、その後投獄された犯人(1980年に出所)も当時の様子を同じニュアンスで語っており、本当に起きたことのようです。

 

リマ症候群という症状もある

「ストックホルム症候群」とは逆に、「加害者の方が被害者に共感を示す」といった例も報告されています。「リマ症候群」が該当しますが、この症状は、1996年12月にペルーはリマで起こった在ペルー日本大使公邸占拠事件で確認されています。加害者は複数で、テロ組織のメンバーだったのですが、人質となった人たち、つまり事件発生時に公邸にいた人たちが知識層(教養レベルの高い層)であったことから、加害者グループが人質の教養レベルに興味を示し、公邸にあった本なども読むようになったそうです。なお、この事件は非常に長引き、翌年4月に実行された突入作戦により幕を閉じましたが、この事件で加害者グループが見せたという「被害者=人質およびその文化に対する奇妙な親近感」が、この事件にちなんで「リマ症候群」と名づけられた、とのことです。

 

極限状態で共感しあう心理

「リマ症候群」は、被害者が「ストックホルム症候群」になっている前提で起こる症状とのことで、人間心理のメカニズムの難解さを示すには十分すぎる例です。共に極限状態における人間心理が、日常の心理状態からは想像がつかないことをあらわしています。このことは、これらの症候群が比較的近年に名づけられていることからもうかがえます。加害者と被害者が共感しあうという、ほとんど謎の領域ともいえる事例ですが、現時点で未解決の超常現象や犯罪の秘密を説くためのヒントになる可能性を秘めているのかもしれません。

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カテゴリ: その他

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