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カイン事件の真相。聖書だけではわからないカインとアベル兄弟

古代文明

 

旧約聖書創世記に記されたカインとアベルの物語をより深く解いて見ます。

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1. 映画「エディンの東」

高校生の頃に見たエリア・カザン監督の映画:「エディンの東:原題はEast of Edenでしたか」を今も覚えています。
舞台は米国のある町です。
敬虔なキリスト教徒の父と品行方正な兄がいる家庭です。
主演のジェームス・ディーンは甘えん坊で不良っぽい弟役を演じます。
父とは性格の合わない母は別居か離婚しており、男たちに酒を飲ませる店を経営しています。
弟は父を喜ばせたくて大豆の栽培事業を始めます。元手は母からせびったと記憶しています。

 
恋人が弟に惹かれていくのを感じた兄は絶望のあまり、志願して欧州戦線に向かう列車に乗ってしまいます。
兄を間接的にではあれ死に追いやったのです。
弟は大豆の事業で得た利益を父に差し出すのですが受け入れてもらえません。
その時点までは父と次男の価値観がちがっていたのです。

 

 

2. 旧約聖書の記述

(1) 創世記第四章に記されたカインとアベルはアダムとイブの最初の子で双子の兄弟です。
兄カインは土を耕す者に、弟アベルは羊を飼う者になります。

 
(2) 日が経って、カインは地の産物をもち、アベルもまた初子(ういご)と肥えたものとをもち、主への捧げものとします。
主はアベルの仕事ぶりとその捧げものを評価しますが、カインとその捧げものは評価しなかったのです。
カインは憤って顔を伏せます。

 
(3) 主はカインの憤りに気づいて、正しいことをしているなら顔をあげたらよいといいます。

 
(4) カインは弟を草原に呼び出して殺してしまいます。
死ということをまだ知りませんので、意図した殺人ではないと思います。

 
(5) 主はカインの行為に怒りこの土地からの追放を宣言します。

 
(6) 放浪の先々で出会う人々がカインを殺したら七倍の復讐を受けることを告げ、カインが殺されることがないよう体に1つの印をつけます。

 
(7) カインは去ってエディンの東のノドの地に住みます。

 
(8) カインと妻に最初の息子エノクが生まれます。
カインがつくった町の名は息子の名をとってエノクと命名します(テノチティトランは中米アステカの首都です)。

 

 

3. ゼカリァ・シッチンの解釈

メソポタミアの粘土板を解読した言語学者で聖書学者のゼカリア・シッチンの説を紹介します。

 

3.1 アダパの誕生

最初に地球に飛来したアヌンナキの王室の長男エンキが大洪水の後で2人の地球人の女性に子供を生ませます。
アダパ(男)とティティ(女)です。
二人の子供の母親は原始アダム族の子孫ですが、アヌンナキである父親エンキの血も受け継いでいるため他の地球人とは違っています。
発育は地球人の子よりやや遅いものの、理解力に富むほか、言語能力にも優れています。
この二人の子供が創世記のアダムとイブに相当します。
知能の高い地球人の誕生です。

 

3.2 カインとアベル

洪水後のアヌンナキは大量の食料を確保する必要がありました。

 
(1) アダパとティティが生んだ双子のうち長男がカイン、次男がアベルです。

 
(2) カインはエンリルの長男ニヌルタの指導で穀物の栽培を、アベルはエンキの長男マルドゥクの指導で故郷星(ニビル)から運んだ羊の飼育をレバノンの試験施設で開始します。
最初の作物を刈り取り、最初の羊が成熟した時、収穫祝いをしようと指導者のエンリルがアヌンナキに告げます。

 
(3) 時が経ち、最初の穀物はニヌルタに先導されてカインが、最初の子羊はマルドゥクに先導されたアベルが、エンリルとエンキの足もとに置きます。

 
(4) エンリルは二人の収穫物と収穫するまでの努力を分け隔てなく祝福したのですが、エンキは息子マルドゥクと子羊を抱え上げて賞賛するのですが、カインとその収穫物を祝福しなかったのです。

 
(5) エンキの祝福がなかったカインは釈然としません。
それ以来、二人は自分の仕事の方こそ価値あるものだとして言い合いを続けます。
ある時、日照り続きのため、アベルは羊の群れをカインの地に入れて水を飲ませ、草を食べさせます。
これを見て激怒したカインはアベルを石で殴って殺してしまいます。

 
(6) エンキ、ニヌルタ、マルドゥクなどが集まってカインの処分を話し合います。
死刑を主張するマルドゥクに対し、カインもアベルもマルドゥクの異母弟であることを告げ、エンキはカインを追放することにします。

 
(7) エンキの息子ニンギシュジッダによって髭が生えないような遺伝子操作を施されてカインは追放されます。
カインには妹が伴侶として同行します。

 
(8) 食料を作る二人がいなくなったことから、アダパとティティは子つくりに努めます。
当初は女子しか生まれなかったのですが、ついに待望の男子が生まれセツと命名されます。
後にセツからはエノスが生まれます。

 

 

4. 検討

アダムは地球人だったということがわかります。

 

4.1 アダムの素性

(1) 創世記では理解できなかったアダム族とアダムの違いが分かります。
アダムとイブはエンキのDNAが入った知的な地球人なのです。

 
(2) 旧約聖書ではセツにエノスが生まれた頃から人々は神の名を呼びはじめたと記しています。

 
(3) ヤレドからエノクが生まれます。
エノクはエンキの故郷星に連れて行かれ、一旦は戻るのですが再度故郷星に連れて行かれて戻ることはありませんでした。
旧約にそのことが記されています。

 

4.2 エンキの指導者らしからぬ態度

カインとアベルが彼らの収穫を捧げたときのエンキとエンリルの態度は際立って異なるものでした。
創世記の編者はシッチンが解説したような二人の指導者の内面の対立の事情をどこまで把握していたのでしょうか。

 
(1) エンリルは地球の総指揮者として食料の重要性を認識し両者の努力とその収穫物の出来栄えを賞賛したのだと思います。
個人としての感情の発露は抑え、論理的に判断したのです。

 
(2) エンキはエンリルとの対抗心を抑えられなかったとする判断は単純すぎるでしょうか。
さらに加えて、彼の長男マルドゥクの不遇ぶりをいつも残念に思い、申し訳なく思っていたので、マルドゥクが指導した牧羊の飼育をことさら評価したのだと思いたい。

 

 

4.3 牧畜者と農耕者との対立

畑作者と牧畜者は土地と水をめぐって利害が相反する関係にあります。
牧畜者にとって草地は耕してはならないものです。耕したら草が生えなくなり、不毛の地になります。農耕者にとって草は邪魔な存在です。
水は両者とも不可欠です。
このような事情から畑作者と牧畜者が同一地域に共存することは不可能です。

 
創世記にあるカインとアベルの話を詳しく説明しました。
聖書だけでは理解できないのです。
アヌンナキが登場するので敬遠する人もいるかも知れませんが、真実への仮想モデルと思えばよいと思います。
なお、ネフィリムは創世記に登場する異星人です。

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カテゴリ: その他

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