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棺の材質は?自動発射式の弓矢とは?秦始皇帝陵の謎に迫る

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長年「秦始皇帝陵及び兵馬俑」が発見されなかった背景には、秦の始皇帝の身分が非常に高かった、または政治的に神格化する意図があった故、死亡自体を公表しにくかったということや、墓陵の建設が秘密裏におこなわれていたかもしれないことなどがあると言われています。

それ以外にも、「秦始皇帝陵及び兵馬俑の7つの謎」が存在していて、「水銀に関する謎」や「財宝に関する謎」等があったのではないか、とされています。

7つの謎には諸説あるものの、始皇帝陵の調査において指摘が多いとされている代表的なものは数件に限定されるため、順を追って解説していきます。

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始皇帝の棺の材質に関する謎

水銀、財宝に続く3つ目の謎として、「始皇帝の棺の材質」を取り上げてみましょう。この点に関しては、水銀に関する記載と同じく、古代中国の歴史書である『史記』や『漢書』に触れられています。

記載によれば、「精錬した銅で内側を塗り固めたうえ、ヒスイ、真珠、玉(ぎょく。宝石類の総称)が飾られている、非常に豪華な棺」とされています。このあたり、先に取り上げた「財宝」にも関連していて、「そもそも墓陵の存在を秘密にしておくのは、財宝の盗難や略奪を防ぐため」という仮説においては、棺の材質も合点の行くところです。

次の謎である「黄金の雁」に関する記載も然りで、財宝の盗難防止に関する抑止力が働いていることが、長年秘匿状態だった根本原因のひとつとして有力になってきます。

 

自動発射の仕組みを持つ大弓

さらには「財宝に近づくと自動発射される仕組みを持つ大弓」も、財宝盗難防止説を裏付ける謎としてあげられます。

兵馬俑付近から発掘された人骨に、当時の中国人をはじめとしたアジア人とは明らかに異なるもの、つまり西洋人と思われるものが含まれていたこと、そもそも始皇帝陵のある中国の西安が地中海世界と商業的につながるためのシルクロードの開始地点であったこと(逆に言えば西洋世界からの来訪が容易で、かつ終着地点であったこと)なども、「盗難防止発端説」を裏付ける要素=謎として信ぴょう性があるのではないかと考えられます。

こういった説の出どころは、概ね前述の『史記』によるところなのですが、おおまかにいえば『史記』を著した司馬遷の生きた時代、紀元前145年頃には既に始皇帝陵がどこにあるのか、全貌はどのようなものなのか、財宝が本当にあるのか、実はなかったのか等が現代と同じく表沙汰になっていなかった可能性があります。

現在謎として取り扱っている課題の多くが『史記』や『漢書』によっているところを考えれば、長年始皇帝陵や兵馬俑が発見・発掘されなかったことの最大の理由は「財宝の盗難防止」に端を発していたのではないかという結論になりそうです。

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カテゴリ: その他

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