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沖縄のキャラクター「キジムナー」、幸運を呼ぶ精霊はどこに棲む?

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沖縄に行くと「キジムナー」という精霊のキャラクターをよく目にします。
近年では幸運を呼ぶ精霊ということで沖縄のお土産として人気があるそうですが、それではこのキジムナーとはどこにいる精霊なのでしょうか。

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キジムナーが棲むガジュマルという木

キジムナーは、「ガジュマル」という木に宿り棲む精霊として知られています。
ガジュマルは沖縄で広く分布する樹木で、日本の南西諸島以外では台湾や中国の南部からインドにかけて、またオーストラリアでも分布しています。

沖縄ではこのガジュマルの巨木を見ることができますが、その特徴は多数に分岐した幹と、茎から出た気根という空気中から水分を収集・排出する根が垂れ下がった姿。気根が伸びて行くとアスファルトやコンクリートさえも突き破る力があるとかで、自分の幹や土台になる他の木に絡まって、土台の木は枯れていくということです。

こういった、土台になる他の樹木や石などに絡まる性質を持った樹木は、「締め殺しの木」と呼ばれるのだそうですが、ガジュマルもその一種でその幹や気根が「絡まる」ことから「ガジュマル」という名前になったという説もあります。

ガジュマルの幹や気根に絡まれて、締め殺しにされた他の木はやがて枯れてしまい、そこは空洞状になります。ガジュマルに宿る精霊キジムナーは、その空洞に棲んでいるといううことのようです。

 

歳をとったガジュマルがキジムナーを生みだす

沖縄では地域によって多くの別名がありますが、代表的な名称となっているキジムナーは「木に憑くもの」という意味で、つまりガジュマルといった樹木に宿り憑いている精霊ということになります。

各地で異なる呼び名を持っていたものが徐々にひとつの名称になっていくのは、例えば全国各地で多くの異名のある河童などもそうなのですが、キジムナーという呼び名も今では沖縄の木の精霊を表す代表的な名称となっています。ちなみにキジムナーと河童には似ているところもあり、河童の一種ではという説もありますが、キジムナーと河童についてはまた別の記事でご紹介することにしましょう。

ともかくも、キジムナーはガジュマルの木の空洞に棲んでいるわけですが、沖縄ではガジュマルが歳をとるとキジムナーを生みだすと言われています。つまり年月を経て空洞をつくり出すと、そこに木の精霊が生みだされキジムナーとなって棲み憑くということでしょう。ガジュマルには樹齢100年以上といわれる古木があり、これは沖縄ではありませんが鹿児島県の徳之島、伊仙町阿権にあるガジュマルの巨木は樹齢300年だそうです。

またガジュマルと同じ属のアコウという木も気根を垂れ下げる樹木で、沖縄ではウスクとかウスクガジュマルと呼ばれ、このウスクにもキジムナーが棲むといわれています。

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