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幼い頃の体験談。山で迷子になったわたしを救ってくれた白い犬の正体

不思議体験

私の子供の時の体験談です。
小さい頃東北地方の父親の実家に夏休みなどを利用してよく遊びに行っていましたが、その田舎の雰囲気はジブリ映画のトトロの舞台に良く似たような感じでした。

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走り回るのが好きでした

私が小学生になった年の夏休みに遊びに行ったときのことです。私はどちらかと言うと好奇心旺盛で冒険好きな面があり、親と買い物に出掛けたりするとあっちこっち勝手に動き回ってよく迷子になっていました。そのときも近所の探検よろしく3歳年上の兄と小川を覗きこんだり田んぼのあぜ道を走り回っていました。
しばらくして兄は帰ってしまいましたが、私は遊び足らずにまだ行ったことのない山の方へとずんずん歩いて行きました。
山道を進んでいくとやがてけもの道のように狭くなり、父の実家も遠くに小さく見えました。

 

迷子になって日も沈んできました

段々と鬱蒼とした森の中に入って行ったときさすがに心細くなって来た道を引き返したのですが、ほとんど一本道だったはずなのに行けども行けども見知った景色にたどり着くことが出来ませんでした。すっかり道に迷ってしまい、だんだんと日が傾いて来ました。

 
途方にくれて泣き出したとき数十メートル先に白い影が見えました。良く見ると中型の白い犬でじっと私を見ていました。
私が近づいていくとその犬は踵を返して遠ざかって行き、わたしはその後を夢中で追いかけました。
暫くするとその犬が立ち止まり上空を見て唸り声をあげました。何もない空中に一瞬ですが褐色の獣のしっぽみたいなものが見えました。

 

犬のあとを追いかけました

その犬は何事もなかったかのように再び歩きはじめ、私もその後を追いかけました。そして気が付くといつの間にか見知った風景の中にいることに気付いたのですが、不思議なことに白い犬の姿はどこにもありませんでした。
父の実家にたどり着いてその話を兄にしたところ、ひどくバカにされてしまいましたが祖父と父は黙って聞いていました。
私が生まれて赤ちゃんの頃に初めてこの家に訪れたとき、白い犬を飼っていたのだそうです。かなりの老齢で私が帰ったあとに死んでしまったとのことでした。

 
この地域は昔猟が盛んで、どこの家にも猟犬がいたそうで祖父も若い頃は実際にその白い犬と猟に出ていたという話を聞きました。
狐にたぶらかされていた所を死んでしまったその犬が助けてくれたのだろうという風に言われたのですが、そのときは特に恐怖感やわけの分からないものに対する畏怖のようなものも不思議と全く感じませんでした。ただ犬の優しげなまなざしが今でも記憶に残っています。

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カテゴリ: 不思議な体験談

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