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祖父がくれた謎の巾着袋のお話

謎の巾着袋のお話
私は幼い頃からよく何もない場所でこけたり、ぶつかったりしていました。

あんまりにもそれが多いので家族や友人からは、「〇子は鈍くさいね」「おっちょこちょいなんだね」と言われる程です。

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父方の祖父が謎の巾着袋をくれた

大きな怪我はなく、擦り傷やたんこぶが出来る程度だったので周りもそんなに心配していなかったのですが、私が小学5年になる頃に父方の祖父が子供の手のひらにすっぽり隠れるサイズの巾着袋をくれました。

祖父は「肌身離さず持ち歩く事、絶対に中を開けない事、良い香りのする時はいいが、おかしな香りがしたら早急に逃げる事」を絶対に守るようにと言っていたのです。

祖父が亡くなった後に聞いたのですが実は祖父は子供の頃からよく何かを言い当てたりしていたらしく、私のような者達に同じような巾着袋を渡していたようなのです。

巾着袋を持ち始めてからは不思議とこけたりする事もなくなりました。
しかし私は偶然だろうと、大して気にも留めていなかったのです。

小学6年生の時の不思議な出来事

最も不思議な出来事は、私が小学6年生の時に行った修学旅行先で起こりました。
その日泊まったホテルは遠くから見てもちょっと変な感じのする所でした。

でも学校の先生が決めたホテルだし、そんなにおかしな事もないだろうと思っていたんです。

その夜、クラスの男子数名がホテルの裏庭奥に墓地がある、肝試しをしようと言い出しました。

私は幽霊を信じていませんでしたが怖い話は苦手なので、ホテルに残ると言いました。

しかし友達のA子がどうしても参加したい、ついてきてと言うので仕方なく一緒に行ったんです。

深夜1時過ぎ、付き添いの先生達や他のクラスメイトにバレないように集まった男子3名と私含む女子3名でそっと裏庭へ行きました。

肝試しは男女ペア1組ずつで、B君が昼間に裏庭奥の墓地前に置いた物を持ってくる、というものでした。

くじ引きの結果、最初に私とB君が行く事になりました。

B君は昼にその場所を見ているのでサクサクと進み、私もその後をついて行きました。

しかし墓地前についた時にB君があれ?と驚きの声を上げたのです。
「昼に置いた物がない」と。

もしかしたら墓地の管理人が拾ったのかもしれないと思いながら、墓地の中を探しました。

巾着袋が一瞬熱くなり生臭い匂いが・・・

すると墓地の一番奥にある大きな墓石の前についた時、ポケットに入れていた祖父の巾着袋が一瞬熱くなったんです。

びっくりしてポケットから出してみると、巾着からはまるで血のような生臭い匂いがしました。

ここに居てはいけない!何か怖い事が起こるという思いが咄嗟に頭をよぎり、B君に早く戻ろうと言いました。

するとB君も私の必死さに気づいたのか、わかったと言って踵を返した瞬間、一番奥にあった大きな墓石がぐらりと傾き、B君の横に倒れてきたのです。

それだけではありません。
近くにあった幾つもの墓石が次々と私達の方へ向かって倒れてきました。

どうやら間一髪、私とB君に墓石がぶつかる事はありませんでしたが、あのままあの場所に居たら大怪我をしていたと思います。

急いで皆の元へ戻り、怒られるのを覚悟で担任の先生に起こった事を伝えました。
結局墓石は老朽化が原因で倒れたという事になりました。

でもB君が帰る間際に絶対誰にも言わないからとホテルの人に聞いた話では、昔からあの場所ではおかしな事が起こるらしいのです。

墓参りに行った人が行方不明になる、大怪我をする、命を落とす人まで出たらしく地元の人は滅多に行かない場所との事でした。

B君が昼に見た時は墓石はどの墓石も薄汚れているけどしっかりしていて、とても勝手に倒れるようには見えなかったらしいのです。

この事件以来、祖父の巾着袋はより一層肌身離さず持ち歩くようにしています。

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カテゴリ: 不思議な体験談

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