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妖精・精霊を四種類の元素に区分するエレメンタルとは

エルフの里
 
この世界に「精霊」や「妖精」はどのぐらいいるのでしょうか?
古代からの文化が続くヨーロッパやアジアの各地域には、様々な精霊や妖精が伝わって来ました。例えばイギリスのアンナ・フランクリンという人がまとめた「妖精百科事典」という本では、じつに約3,000もの項目が載せられています。すべてが異なる精霊や妖精のことというわけではありませんが、その多くは妖精の種類や名称の項目で、世界中にはそれほど多くの精霊や妖精が伝承されてきたということです。

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古代世界から伝わる妖精の代表選手エルフ

ファンタジーものの小説やアニメがお好きな方なら、妖精と言ってすぐに思い浮かぶのが「エルフ」ではないでしょうか。

エルフは北欧神話やアングロ・サクソン神話などを含むヨーロッパ古代のゲルマン神話に源流がある妖精族で、エルフは誰もが若く美しい姿をして主に森に棲み、知性豊かで魔法の力を持っています。古代世界において森に代表される自然の豊かさを象徴し、それを司る小神族または半神族とされ、つまりは森の神聖な精霊が位の低い豊穣の神の一族としてまとまり、伝わったということでしょうか。

ちなみに北欧のエルフのなかには、サンタクロースと同一視される「ニッセ」や「トムテ」といった妖精もいて、彼らは赤い帽子を被った小さなエルフでサンタクロースの手伝いをしたり、人間の家に棲みついて家を護ってくれたりします。アメリカではこの妖精を「クリスマスエルフ」と呼んでいて、サンタクロースの助手として一緒に北極でクリスマスプレゼントのおもちゃを造っていると言われています。クリスマスエルフは日本ではまだあまり知名度が高くありませんが、欧米のクリスマスではとても身近な存在なのだそうです。

 

エレメンタルと四大精霊は最も純化された精霊

さて、このエルフ族のように、森や自然の豊かさといった様々な要素を含んだものを司る精霊や妖精がいる一方で、「エレメンタル」というまったく単一の自然の元素から成り立つ精霊に区分したのが、16世紀のスイス出身の錬金術師であり医師、化学者あるいは神秘思想家のパラケルスス(テオフラストゥス・ホーエンハイム)という人でした。

彼は、古代ギリシャ哲学から伝わる「四大元素」である火、水、風、土のそれぞれを司るエレメンタル、つまり精霊として、「サラマンダー(火)」、「ウンディーネ(水)」、「シルフまたはシルフィード(風)」、「グノームまたはノーム(土)」という四大精霊が存在するとしました。

パラケルススの説によれば、人間は「霊的なもの」「星気的なもの」「可視的あるいは地上的なもの」で成り立っているが、エレメンタルとしての精霊はそれぞれの単一の元素だけをよりどころとしているのだそうです。星気的なものの星気とは「アストラル」ということで、簡単に言えば精神活動で感情を司るエネルギーのこと。

つまりエレメンタルとは霊的、感情エネルギー的、そして地上で目に見える物理的なもので構成された人間とは異なる存在であり、一方で実体としての身体も持っていることから純粋な霊体でもなく、人間と霊体との間に位置しているとされました。

少々難しい話になってしまいましたが、古代から様々に伝わって来た精霊や妖精が元素にまで純化され、四種類に区分されたのが四大精霊だということなのでしょう。

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