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水の精霊ウンディーネ。水の精霊の源流とは

ウンディーネ

「四大精霊」のなかの水の精霊である「ウンディーネ」の源流は、どこにあるのでしょうか。じつは火の精霊「サラマンダー」と同じく、古代ギリシャから受け継がれて来たものなのです。
ギリシャ神話には「ニンフ(ニュンペー)」という下級の女神、つまり精霊神が登場します。このニンフがウンディーネの源流とされているのです。

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若くて美しいが、好色で奔放なニンフ

ニンフは、一般には若くて美しい女性の姿をしており、歌や踊りを好む陽気な妖精たち、といったイメージです。

一方で粗野な性格であるともされ、狩猟の女神アルテミスや葡萄酒と酩酊の神ディオニューソスなどの神々に付き従って、山や野で踊り狂って騒ぎ、人間の旅人を惑わせたり正気を失わせたりなどの悪さをするとも言われています。

ニンフという言葉はギリシャ語では「花嫁」を意味しますが、このニンフを語源とした精神医学用語の「ニンフォマニア」は、簡単に言えば女性の過剰性欲つまり色情狂のこと。

妖精のニンフがしばしば人間の男性に恋をし、そればかりか攫って行って性欲を満たすという伝承から生まれたそうです。
しかしニンフと人間の男性との恋愛は哀しい結末で終わることが多く、このあたりもウンディーネに受け継がれているのでしょう。

 

 

ウンディーネの源流、水のニンフ・ナーイアス

ニンフは必ずしも水の精霊だけというわけでなく、海の精霊、木の精霊、山の精霊、森の精霊、谷の精霊、冥界の精霊と、その棲むところによって区分されています。

このうち水の精霊は「ナーイアス」という名前で、各地の泉や川に棲んでいます。だいたいはその泉や川の神の娘であるといわれ、日本の代表的な水の神であるミズハノメが女神であるのに少し似ているのかも知れません。

ナーイアスがいる泉や川は清い聖なる水で、これを飲むと病気が治りますが、その水に入ると冒涜したとされて呪われたり病気になったりするそうです。
また、ナーイアスは神や人間の男性とやはり恋に落ちて、しばしばその妻になります。しかし純潔を守り通した水の精霊のこんなお話もあります。

とても美しいニンフですがまだ男性経験のないアレトゥーサは、ある日、狩りの疲れを癒そうと川で水浴びをしていると、その川の神アルペイオスがその姿に見惚れて恋をしてしまいます。

驚いたアレトゥーサは服も着ずに逃げ、逃げ疲れて自分が仕えるアルテミスに助けを求めると、アレトゥーサの肢体はみるみるうちに溶けて水になってしまいました。

追いついたアルペイオスも水となって混ざろうとしますが、アルテミスは大地を割ってアレトゥーサの水を地下に流し、やがてシチリア島近くのオルテュギア島で泉となりました。こうしてアレトゥーサは純潔を守ったあと元の姿には戻らず、アレトゥーサの泉になったということです。

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