> >

プロ棋士に見るひらめきの研究:第六感は解明できる?

3dd2fc5e425f0d35347e19a80a1050dc_s
プロの棋士達は、いわゆる「直感」を超えた「第六感」に近いイメージの、特殊性やユニーク性を感じさせる能力を駆使しています。なおかつ肉体的な機能との連携をほとんど必要としないところから、プロスポーツ選手などとは一線を画した存在として、「第六感」を探求するための材料としても非常に興味深い存在である、といえます。

実際に某大手SIerが中心となって、棋士の「直感思考」、つまり瞬時に働いている「第六感のようなもの」に対し、本気の研究を進めているようです。

スポンサードリンク


 

一瞬のひらめきの背景にあるもの

このプロジェクトは、「将棋における脳内活動の探索研究」というテーマで、プロアマ含めて100人以上の棋士を対象に行われました。fMRI(医療現場で使用されているMRIの撮影方法を、脳の働きに特化して工夫したもの)やスーパーコンピュータなどの最新技術を使って脳神経や血管の動き、脳波などを計測することで、(「第六感」とは表現していないものの)棋士が持つ特殊な能力、ひいては脳の働きを第三者にも説明できる形に落とし込む試みである、といいます。

棋士が駆使していると考えられている「一瞬のひらめき」の背景には、プロ棋士になる以前から蓄積された局面や、将棋以外も含めたさまざまな経験が存在していることはもちろんなのですが、実際に判断がおこなわれる際の脳の動きを検証することで、より真実に近い「第六感のメカニズム」に踏み込んだ研究であった、といいます。

 

プロとアマでは脳の働きが異なっていた!

結論としては、プロ棋士とアマ棋士とでは、脳の動きとして端的な違いが発見されたようです。具体的には、「将棋盤にあるさまざまな駒の配置(つまり状況判断)は脳の部位である頭頂葉背内側で読み取り、次の一手の判断は、大脳基底核という別の部位でおこなっていた」といい、脳の動きは、アマ棋士とは明らかに違っていたそうです。

次の一手の判断に使われた脳の部位は、医学的には「習慣的な行動を蓄積する部位」として知られています。プロ棋士の的確な判断は、実は「無意識下にある、習慣的な行動をおこしているものに近い何らかの力」による働きである、ということです。

短絡的に考えると、「正解かどうかは別として、過去の経験や知識の蓄積によって習慣となった判断結果が表出している」、との見方もできますが、その際の正解率が非常に高いこと、判断に至るスピードが突出して早いことなどから、かなり特殊な力であることが想像できます。

しかし「第六感」は、各個人の過去の経験に基づく習慣的な行動である、とは思えないところも多々あります。

このエントリーをはてなブックマークに追加


スポンサードリンク
スポンサードリンク

カテゴリ: その他

Comments are closed.