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不老不死の薬!エリクサーと賢者の石とは同じもの?

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卑金属を貴金属に変えたり、人間のあらゆる病が治癒したり、さらには不老不死の能力をも手にすることができるという錬金術は、古代から世界中の各地で研究・検証が継続しておこなわれてきました。

近年人気になった「ハリー・ポッターシリーズ」に出てくる「賢者の石」というモチーフは、錬金術の概念の中で取り扱われてきた「万物に効く魔法の物質」から引用されている、といいます。一方で、「賢者の石」と同じく万能薬として、「エリクサー」という謎の物質が存在しています。

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エリクサーの語源はアラビア語?

「賢者の石」と同じく万能薬として知られる「エリクサー」は、中世ヨーロッパで広まった錬金術における「賢者の石」よりも、より古い時代の万能薬の呼び名である、といわれています。

錬金術はもともと古代ギリシャが発祥で、イスラム世界を経由したうえで、12世紀頃にヨーロッパに広まった、という説が一般的ですが、「賢者の石」がある程度の大きさの固形をイメージしていることに対し、「エリクサー」は乾いた粉末である、と考えられていました。

もとはギリシャ語の「xerion(乾いている、という意味)」であったのが、アラビア語に翻訳されて「al iksir(エリクサー)」となった、といわれています。語源の説としては、ほかにも「ラテン語のエリ(神の意味)とクシール(杯の意味)が組み合わさった言葉である」というものも存在していますが、真相は今も明確にはなっていません。

 

不老不死の薬エリクサー

いずれにせよ「エリクサー」は、「賢者の石」と同じく12~13世紀頃にヨーロッパを中心に取り沙汰されるようになったのですが、年代を経るにつれ「エリクサー」は、液体としての顔を持つようになります。

ベースとなったのはイスラム時代(8~9世紀頃)の哲学者であるジャービル・イブン・ハイヤーという人物が主張していた「金属が持つ4元素(火、気または風、水、土)と4性質(温・乾・湿・冷)を再構成すると、1元素1性質を抽出することができる」という説でした。

この説で語られていた1元素が、まさに「エリクサー」であった、ということです。この液体を人間が飲むことで、「あらゆる病を克服し、不老不死をも手に入れることができる」として、当時の人々の耳目を集めることになったのです。

しかし「エリクサーの実効性が医学的に立証されているか否か」といえば答えはノーで、現代においても、そのような万能薬は今もって存在していない、といえます。

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カテゴリ: その他

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