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時を超えて光を放つ古代エジプト「王家の谷」の3つの魅力とは

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古代エジプトの王族の墓が密集しているという、エジプトはルクソールにある王家の谷は、今も多くの集客を誇る、世界有数の偉大な観光地でもあります。1954年には映画のモチーフにも取り上げている王家の谷(映画のタイトルも、そのものずばり「王家の谷」)ですが、18世紀の発見以降、今も色あせない魅力に満ちています。

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壁画の見事さと希少性

王家の谷の魅力は、何千年の前の古代エジプトのロマンを伝えていることはもちろんですが、訪れる人が絶えない大きな理由のひとつに、壁画の美しさがあります。エジプトのルクソールは、夏場には日本からは想像できないような暑さに見舞われ、決して快適なリゾートだとはいえない地域なのですが、王墓に書かれた壁画は、王家の谷でしか見ることはできないといえるほど、唯一無比のものです。王家の谷にある王達の墓は、石灰岩質の岩を掘って作られている岩窟墓であるのですが、その壁面には、色鮮やかなさまざまな絵が描かれています。

 

エジプト神話につながる冥界の書

また、壁画にはヒエログリフといわれる文字も描かれており、古代エジプトで伝えられていたさまざまな叡智をも伝承しています。そのひとつに「冥界の書」というものがあり、当時の風習や、唱えるべき呪文、死者をいかに葬送するか、また故人があの世で迷わないように、進むべき方向を示す内容など、ここでしか実物を見ることができないような、貴重な文書として存在しています。「冥界の書」のなかには、「冥界にあるものの書」や「門の書」、「太陽神ラーへの連祷書」、「口開きの書」などがあり、王家の谷にある複数の王の墓の壁画の中で、ストーリーを持った一連の物語として伝えられているのです。

 

人間の創造力をあらわす貴重な存在

王家の谷を含めた、世界中にある世界遺産は、後世に残すべき対象の特性に応じて大きく3つに分類されており、そのうちのひとつである文化遺産の定義のなかに、「人間が持つ創造的才能をあらわすような、貴重な傑作であること」、「既に消滅してしまった文明が、過去に存在していたことを示す、まれな証拠となること」、といったものがあります。王家の谷に残されているさまざまな物品や壁画は、何千年も前の人類の創造的才能を認識するのに十分な材料であり、人間の思想や宗教の原点や、根源的な欲求を探求するための入り口にもなりえるものです。このような意味合いからも、エジプトの王家の谷は、人類共通の財産として、後世に引き継いでいくべき貴重な財産である、といえそうです。

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カテゴリ: その他

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