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ヨーロッパの妖精フェアリーの概念に隠された人間の深層心理とは

フェアリー妖精
 
世界各地に精霊や妖精の伝承はありますが、グレートブリテン島や北欧周辺のヨーロッパでは、「妖精フェアリー」の伝承が一般的です。人間と神との間に位置する中間的な存在として昔から語り継がれ続けてきたフェアリーは、さまざまな性格付けをなされつつ、その存在は現代も人々の心の中に生き続けています。

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語源はラテン語で「運命」を意味する

フェアリーの語源は、ラテン語の「Fata」といわれていて、もとの意味は「運命」を指しています。女性の姿で描かれることも多いフェアリーですが、「運命」という意味をもった言葉から生まれてきたことは、人知を超えた存在として人々に認識されてきたことを暗示しているようです。フェアリーは、主にヨーロッパ(イギリスやアイルランド、スコットランド、北欧諸国など)で伝わっている概念で、その起源は古く、フェアリーが「冷たい鉄が苦手」という説が信じられていることからも、ケルト民族がグレートブリテン島に鉄の道具を持ち込む以前の、先住民の時代に考え出された概念ではないか、といわれています。

 

フェアリーの概念の起源

このようにフェアリーは、先住民が外的要因によって生み出した可能性があるとのことですが、この根拠には諸説あり、「被征服民族であった彼らが、心の安定を得るための手段としてフェアリーの存在を生み出した」説(この説には「フェアリーがしばしばドワーフ(小人)などの小さい存在と同一視されていることに注視して、「小さい存在を思い描くことは、心理的に圧迫されていることが根底にある」と解釈されていることに起因しています)、「古典的なしつけの習慣の中で生まれてきた」説、「もとは神だったものが、なんらかの理由で地上に堕ちてきた(堕天使)」説などが伝わっています。いずれにせよこんにちでは、どちらかというと暗いイメージというよりも、美しく可憐であったり、奔放でいたずら好きといった明るいイメージで語られることのほうが多いようです。

 

フェアリーの性格

フェアリーの性格付けとして、多くの物語や芸術作品で描かれているとおり、「基本的に人間に対して好意的で、(一般的に考えられているような)女性的な優しさやきまぐれさを持った性格である」といわれています。ただしそれに反する説も存在し、人間の子供をさらう物語があったり、いたずらが度を越して人間に害を与えるようなものもあります。人気映画「ハリーポッター」にもフェアリー=妖精や精霊はたくさん登場してきますが、性格付けはさまざまです。フェアリーは、一般に思われているよりも多彩なキャラクターを持っているようです。

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カテゴリ: その他

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