> >

リントヴルム…街のシンボルにもなったオーストリアのドラゴンの伝説

ドラゴン エンブレム
 
伝説の不思議な生物ドラゴンには、世界各国でさまざまな伝承があって、その違いは、お国柄や歴史をあらわしていて、大変興味深いものがあります。アメリカのドラゴンやアジア圏の龍のほか、ヨーロッパ各地にもドラゴンの伝説は残されていて、アメリカや中国とはまた違ったキャラクターを持っています。ここでは、オーストリアのリントヴルムをご紹介します。

スポンサードリンク


 

リントヴルムの姿

オーストリアにおけるドラゴンの起源は8世紀頃といわれていて、もともとはゲルマン民族古来の「地を這う大蛇」という概念で語られていたそうですが、その後15世紀頃から、外来のドラゴンのイメージ(翼を持っていて、空を飛ぶことができる)が融合し、リントヴルムが生み出されていきました。ドイツなど、オーストリアの近隣諸国でもリントヴルムという呼称で浸透していますが、イギリスなどには翼を持たないリントヴルムのキャラクターも存在していて、そちらはリンドドレイクと呼ばれているそうです。リントヴルムの姿は、アメリカなどで見られるドラゴン同様に爬虫類や恐竜然としているのですが、特徴としては尾の先が矢のように尖っていて、ワニのような長い頭と牙を持っています。

 

オーストリアの伝承

リントヴルムについての伝承の中で有名なものは、1200年代のオーストリアはケルンテン州の州都クラーゲンフルトでのもので、河川に現れてたびたび人を襲うリントヴルムに懸賞金がかけられ、街の青年グループが牛を使って釣りのような形でリントヴルムを釣り上げて退治した、というものです。このエピソードをもとに、16世紀に当地に建てられた名家の紋章としてリントヴルムがデザインされたり、街のシンボルとして中心街の噴水公園(「リントヴルムの噴水」と呼ばれています)には彫像が作られたりしています。このあたり、シンガポールのマーライオンのような位置付けなのでしょか。

 

リントヴルムがあらわしているもの

紋章に使われているリントヴルムがあらわしているものは、「荒々しさや容赦なさ、雄々しさ」とのことです。日本の家紋にもさまざまな意味があることと同様に、リントヴルムのキャラクターや紋章には、勇敢な意味が持たせられているようです。また、スカンジナビアには「リントヴルム王子」という民話も残されていて、魔女の呪いで人間が龍になった存在をリントヴルムを呼んでいるようなストーリーもあるそうです。

オーストリアでは、現在も博物館やホテルの名称にも使われるほど親しまれています。リントヴルムゆかりの地ウィーンに行く機会があれば、「リントヴルムの噴水」に立ち寄って、歴史を感じて見たいものですね。

このエントリーをはてなブックマークに追加


スポンサードリンク
スポンサードリンク

カテゴリ: その他

Comments are closed.