占いの起源・歴史(1)世界最古の占いと西洋占星術
占いはいつからあるのか、その起源はどこなのでしょうか。
はっきりとした歴史は定かではありませんが、占いは遥か古代からあったとされています。おそらくは、人間が言葉を話して人とコミュニケーションをとり、社会や文化をつくっていく歴史が始まるとともに占いの歴史も始まったに違いありません。
人は多くの人々や社会と触れ合うことによって、自分というものを見出し、また多くの希望や悩みも生まれてきます。占いは、人がそのなかで生じた自分の行動への迷いをどうにか解決したい、と思い始めた時からあったのではないでしょうか。
文明が誕生すれば、占いも生まれる
世界最古の文明といえば、古代メソポタミア文明です。なかでもシュメール人が農耕を始めたというシュメール文明は、紀元前9000年頃には生まれたと言われています。
紀元前3000年頃には、シュメール人は世界で初めての文字である楔形文字を発明したとされていますが、この楔形文字の文書に、古代メソポタミアでは星を読む天文知識によって占いが行われていたという記述があるそうです。
いまでは誰もが知っている12星座は、古代メソポタミア文明から生まれたとされていますので、占いは世界最古の文明から既に生まれていたということなのです。
星の動きを見ることから始まった占い
西洋の代表的な占いといえば占星術ですが、その起源はこの古代メソポタミア文明であるとされています。
古代では、星の動きを見ることによって神々の意志とこれから起きることの予兆を知る、というようなかたちで占いが行われていました。また、シュメール文明のあとの古代バビロニアでも、こういった予兆に基づいた占いは盛んに行われ、星の動きばかりでなく虹や雲などの様々な自然現象、動物のふるまいなどからも未来の予兆を知ることができるとされていたようです。
この古代バビロニアで、現在の12星座の基となるものがつくられました。
アレキサンダー大王の帝国から占星術は始まった
紀元前4世紀にマケドニアのアレキサンダー大王はギリシャを統一し、メソポタミア、ペルシャ、エジプトなどを征服して大帝国を築きます。
それによって各地の文化が融合したヘレニズム文化が始まり、ヨーロッパ文化の源流となるわけですが、占星術もバビロニアやエジプトのものが融合し、天体の動きを読み取る天文学にギリシャの哲学や思想が加わっていくというかたちで、現代につながる西洋占星術の基礎ができたといわれています。
占星術に使われる天体の配置図「ホロスコープ」は、この頃に生まれたそうですから、西洋占星術はアレキサンダー大王の帝国から始まったといえます。