現代に適応するタロット占いの進化
タロット占いをご存じでしょうか。実際にカードに触れてみると、不思議な絵柄に惹きつけられ、トランプのように遊んでしまう若者も多いのは、日本にない要素が多いからということもあるでしょう。
タロットの起源は古く、古代エジプト、古代イスラエルともいわれています。
遊興目的のカードが古代から多くあったことは当然考えられ、実際に中世の物なら遺物もあるようです。9世紀の唐代の中華人民共和国に、トランプの一種が既にあったことが、『杜陽雑編』下という文献にあり、『葉子戯』といわれていました。
『葉子戯』は『馬弔』というカードゲーム用のカードとなり、現代でいうところの麻雀へと進化しました。
トランプは、『馬弔』のカードが中東アラビア諸国経由でヨーロッパへと伝播したものという説があり、15世紀頃にはすでに、イスラームの多いアラブ諸国では、偶像崇拝に触れないよう、絵柄ではなく、モザイクやカバラの生命の樹のような、ある種幾何学的な雰囲気が漂うカードなどが作られていたようです。
同じく15世紀頃のイタリアなどでは、遊興目的のトランプと融合しながら基本的なタロットカードである大アルカナ等が豊かな芸術的センスの発揮された絵柄で、貴族等富豪のために丁寧に作られていたといいます。
18、9世紀には既に占星術やカバラ思想など神秘性を高める要素をとり込んだり、遊び方が整理されていったりして、今のタロットカードの形式がほぼできあがっていたとされています。エッティラ版タロットやフランスマルセイユ版、ライダー版などがよく知られています。
シュルレアリズムすなわち超現実主義のサルバトール・ダリや、アールヌーボーで著名なアルフォンス・ミュシャといった芸術家等の絵柄で知られるタロットカードですが、カードの登場人物名は共通しています。『女王』・『王』・『教皇』・『塔』・『悪魔』などです。
今時はタロットカードの意味や解釈も、幅が広くなってきているみたいで、絵柄にも様々なモチーフがあります。
ある意味で、現代に適応したかたちとなっています。霊視ブームに乗って、霊感タロット、という呼称もよく使われているのですが、綺麗な絵付きのタロットカードを厳選し、インスピレーションを湧かせて、あとは対面時の人間観察と持ち前の『当たりのだしやすさ』を発揮している、といった占いの種類もあります。
そのような占いで使用されるタロットカードの絵のモチーフが、人の感情を表現していることが多く、タロットカードそれぞれの本来の意味が、霊視同様の豊かなシチュエイションへの洞察で解釈されるという構造になっている、という言い方が可能です。もちろん、小さい頃から自縛霊を視てしまう、といったタイプの、いわゆる霊視重視のはずの占い師がタロットカードも扱う場合もあるようです。
国家資格が特に有りませんから、伝統のある占いはそれだけで一定の信頼を集めているというわけです。占星術をもとにした占いの場合、何人かの占い師の言う結果が同様ならば、占う対象が同じ生年月日時だとやはり、別の占い師を当たってみても変わりがない確率が高い、ということにもなりえます。
それが命占というわけですが、チャクラの様子はいつでもおんなじ、とはいわないようですので、筮竹による易占いのようなそのつどの変化を期待できる助言のように捉えられる場合もあるようです。
スピリチュアルなイメージのスクールなどに通って、オーラやチャクラの透視、ヒーリングなどに関する一定の方法論を身につけた、という占い師が、霊視タイプに分類される場合ももちろんあります。