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霊との交信?!ポルターガイストとフォックス姉妹

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1848年にアメリカ・ニューヨーク州北西部のハイズヴィルで起きた「ポルターガイスト現象」は「ハイズヴィル事件」と呼ばれ、世界で初めて霊と交信できる現象であるとされて、「スピリチュアリズム(心霊主義)」が隆盛する大きな出来事となりました。

この事件が単なるポルターガイストに収まらなかったのは、霊と交信できるということだけではありませんでした。それは、ポルターガイスト現象が起きたハイズヴィルの家から、フォックス夫妻と2人の娘が大きくなった騒ぎのせいで引越をせざるを得なくなった後も、ポルターガイストの霊は家から離れて娘たちについて回ったからでした。

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ハイズヴィル事件によって広がるスピリチュアリズム

事件の翌年の1849年には、ロチェスターで初のスピリチュアリストの集会が開かれました。その6年後の1855年には全米で200万人のスピリチュアリストが存在したと言いますから、ハイズヴィル事件をきっかけにしていかにスピリチュアリズムがアメリカで盛んになったかがわかります。

またこの事件により娘のフォックス姉妹は霊媒とされ、彼女たちはやがて初の職業的霊媒である「ミーディアム(霊能者)」となって、「叩音(ノック音)」による霊との交信のパフォーマンスを行うようになります。

それまでポルターガイストとは悪魔などが起こす現象と考えられ、霊と交信するといったものではありませんでした。さらには、このポルターガイストが特定の家の中だけで起きるのではなく、フォックス姉妹が霊媒となって起きる心霊現象であるとされました。ポルターガイストがハイズヴィル事件によって大きな変化を迎えたわけです。

 

フォックス姉妹をめぐる賛否両論

しかし、スピリチュアリズムの隆盛とともにハイズヴィル事件とフォックス姉妹が有名となり、職業的霊媒のミーディアムとなって霊との交信を行い出すと、当然ながら賛否両論が沸き起こります。

1851年にこの現象を調査したバッファロー薬科大学の科学者たちは、この現象で起きる「叩音」は姉妹が足首や膝の関節を鳴らしていたものだとしました。

また姉妹のデモンストレーションが有名になるにつれ、悪いウワサも広まります。それによると、1849年の事件が起こった当時11歳だったマーガレットと9歳のケイトは、歳が離れ父親の異なる長女のリーが黒幕となり、金儲けの手段に利用されてデモンストレーションを行うようになったというものでした。その真偽はともかくとして、実際にフォックス家は巨額の富を稼ぎ150万人以上の支持者がいたとされています。

そのような中で、1888年10月21日付のニューヨークワールドという新聞に暴露記事が掲載されます。それは反スピリチュアル団体から金銭を貰って書いたという、マーガレットの告白記事でした。

 

フォックス姉妹のポルターガイスト現象の真偽は?

それによるとハイズヴィル事件は、当初のポルターガイスト現象の叩音(ラップ音)は紐に結んだリンゴをベッドから床に落とした音で母親を信じさせ、その後はバッファロー薬科大学の調査のとおり足首や膝の関節を鳴らしたものであること。はじめは単なるいたずらだったものが事件として大きなものになり、長女のリーに口止めされて真実を話せず、また大きな金銭が絡むようになったことから、さらに真実が告白できなくなったといったものでした。

この告白記事は大きな反響を巻き起こし、姉妹のデモンストレーションは廃れますが、それでもスピリチュアリズムや心霊現象を信じる人たちは無くなりませんでした。

その約1年半後、マーガレットは告白内容を撤回します。そしてそれから後は、マーガレットとケイトの姉妹は生涯を通じて、このポルターガイスト現象が事実であることを主張し続けたということです。

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