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4大元素の象徴!火の精霊サラマンダーと錬金術との関係

火
 
西洋のドラゴンは、さまざまな歴史やエピソードで伝承されてきていますが、そこで描かれているキャラクターは、「爬虫類または両生類に近い姿」といった共通点はあるものの、その姿や大きさは非常に多くのバリエーションを持っています。そんな中で、近代科学が発展する過程でおこった「錬金術」という枠組みの中で定義されていた、ドラゴンの種類のひとつであるサラマンダーは、錬金術というユニークな背景を持った特異な存在である、といえそうです。

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錬金術とは?

サラマンダーという不思議な生物を生み出すことになった学説「錬金術」の起源は、古代ギリシャまで遡ります。6世紀頃に描かれたといわれている絵画に、その姿が既にあった、ということです。有名なアリストテレスも、「万物は火・気・水・土の4つの元素から構成されている」と考えていた、といわれています。時期としては、12世紀頃から4大元素説の裏付け研究が本格化していきます。この研究では、「黄金以外の金属を、黄金に変えることができるのではないか」、と考えられていたのです。これが、卑金属を黄金に変化させる「錬金術」というわけです。

もっとも、17世紀頃になると4大元素説は否定され、現在の通説である多元素の考え方のほうに学説は変化していきました。この「錬金術」を実施するための4大元素を象徴する生物のひとつが、「サラマンダー」だったのです。

 

火の精サラマンダーはサンショウウオ?

4大元素のうち、火を象徴する精霊として定義されていたサラマンダーは、別名「火トカゲ」といわれていることからもわかるように、トカゲのような姿をしています。「語源はラテン語」といわれていて、もとの意味は「サンショウウオ」とのことです。

16世紀のスイスの錬金術師パラケルススは、その著書『精霊の書』のなかで、火の精としてサラマンダーを定義しています。「卑金属を黄金に変える過程において、火を使っているときに這い出してくる」、とされていました。有名なマルコ・ポーロの『東方見聞録』にも、火に強い皮としてサラマンダー(この場合は石綿を指しているとのことです)というキーワードが使われています。

 

現代のサラマンダー

錬金術の衰退とともに、精霊としての役割が消滅していったサラマンダーですが、「火トカゲ」というユニークなキャラクターから、今もアニメやゲーム、映画、コミックの世界で、人気を保っています。ペットとしてのトカゲも、英名としてサラマンダーというキーワードがくっついていることから、大変ポピュラーな言葉にもなっています。トカゲを見かけたときには、サラマンダー伝承を重ね合わせると、歴史のロマンを感じられるかもしれません。

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カテゴリ: その他

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