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地球は地球人の手に…主人公がアヌンナキから人類へと移り変わった理由

1. はじめに

地球
 
 地域的には大洪水は地球の各地で発生したようです。チグリス河とユーフラテス河でも何回も大きな洪水があったことが発掘により分かっています。本稿で言う洪水は最後の氷河期に発生したされる世界的な規模の大洪水です。今から13,000年前頃のできごとで、この洪水により氷河期が終わったとされます。その頃には既に地球人が世界各地に住んでいました。

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 ところが宇宙からの来訪者(旧約聖書ではネフィリム、本稿ではアヌンナキという)はおよそ40万年以上も前に地球に飛来していました。彼らの星の1年は地球の3,600年に相当します。彼らが1才年をとる間に地球では3,600年が経過するのです。地球人から見ると彼らは不死と見えて当然です。ただし人類のように数多くはいません。地球人の誕生は彼らの飛来から10万年年ほど経ってからのことでした。この地球人の特徴は、成長が早く短命な代わりに繁殖力が旺盛なことです。

 

2. 金採取システムの構築

 母星(ニビルという)の危機を救うため金を求めて飛来したアヌンナキは、総指揮官のエンリルと技術主任のエンキのもとで苦労を重ねて母国への輸送手段を含む金採掘システムを構築しました。下記はその主要な事物です。なおエンリルは王アヌの正妃の子ですが次男、エンキは庶子ではあるものの長男でした。エンリルはまじめな上に統治者として優れ、エンキは科学者・技術者として才能を発揮します。旧約聖書ではエデンの園の蛇として悪者のように描かれています。両者は事あるごとに衝突します。

 
(1) 金採掘・精練システム

アフリカ南東部の金鉱山と関連施設の建設、メソポタミアでの金の精練施設の建設

 
(2) 宇宙空港

ロケットの離発着施設、誘導施設、火星の中継施設などの建設

 
(3) 鉱山作業者の地球人

鉱山労働の負担を軽減するため地球人の鉱山労働者を創りました。

 
(4) 関連知識の習得

この間に地球の他の地域のほか、火星や月の探査もして知識を深めます。

 

3. アヌンナキ社会の変化

 地球に飛来したアヌンナキの社会も変化しています。

 

(1) 老化問題

 地球年の3600年で太陽を一周するニビルからのアヌンナキも地球では老化が進みます。他のアヌンナキは交代で母星に帰りますが、エンリル、エンキ、ニンフルサグ(妹)は立場上帰れないため老化は進みます。地球に長くいたアヌンナキは帰還後に死ぬ例が多かったようです。もはや母星の環境に対応できなかったのです。エンキたちも母星には戻れないことを知っていました。地球生まれの2世・3世はさらに老化が早く進みます。

 

(2) 2世・3世の誕生によるアヌンナキ社会の変化

(a) ニビル生まれの1世だけの社会は単純でした。男だけなので指揮命令系統で社会は動いていました。王族とそれ以外のアヌンナキとの区別も明確でした。医療関係の必要から女性アヌンナキがいるようになっても、男女関係には厳格な規則がありました。

(b) 王族のエンリルやエンキは妻と息子を伴っていました。地球生まれの王族の息子や娘が誕生します。2世の誕生です。地球生まれの両親から息子や娘が誕生します。3世の誕生です。

(c) 本来は許されないことですが、王族のアヌンナキが地球人に子を産ませる例が出てきます。

(d) 王族以外のアヌンナキが許可無く地球人の娘と結ばれるケースも出てきます。アヌンナキと地球人の特性を半分ずつもった子が生まれます。もちろん、アヌンナキの血が3/4の子、1/4の子なども生まれるようになります。

 

4. 大洪水の前兆

 ニビルの接近の影響で太陽の活動が活発になります。月や木星も不安定です。
地球人の住む地域の乾燥が進み、水不足になり、食物の収穫量が減って飢える者が続出するほか、伝染病や病気が蔓延して苦しみます。

 また、アフリカ南端の観測点では南極からのゴロゴロという音が観測され、これは南極の氷床の滑落であるということがわかりました。このままだと大洪水が起こることがわかったものの、この氷床の滑落を防ぐ方法がありません。ニビルの議会では、金の採掘事業を止め、残留希望者を除きアヌンナキ全員を地球から帰還させる決定をします。

 

5. 大洪水の発生

 帰還を望むアヌンナキは母星に帰りました。月や火星に避難するアヌンナキもいました。

 

(1) 空からの観察者

 残留希望者の殆どは地球の上空を周回しながら、築いてきた全ての事物が大津波によって破壊され、押し流され、地球人が一瞬のうちに水に飲み込まれる惨状を観察しました。地球は表面が泥水に覆われた巨大な球になりました。その後は激しい雨が降り続きます。やがて豪雨が止み水に覆われた地球が眼下に現れます。

 

(2) ジウスドラと箱舟

(a) エンキは彼が地球人に生ませた息子(ジウスドラ)に、潜水のほか回転にも耐えられる箱舟を作るよう伝え、作り方と設計図を示します。箱舟には家族(妻と息子のセム、ハム、ヤペテと妻たち)とつがいの動物を乗せるように指示します。また航海術に秀でた息子(ニナガル)を同乗させます。エンキとニンハルサグが手分けして収集した動物の生命のエッセンスと卵子をニナガルに託します。

(b) やがて南の海からの巨大な波が何波にもわたり押し寄せ、箱舟は翻弄されます。その後は天が破れたかのように大雨が40日間も続きます。

(c) 長かった大雨がやむと、ニナガルは帆を張り水面から顔を出しているアルラタの峰を目指します。ジウスドラは祭壇を作り、香を焚き、犠牲の雌羊をエンキに捧げます。空の乗り物から降り立ったエンリルたちは、ジウスドラとその家族を見つけます。この洪水を利用して地球人の絶滅を図ったエンリルは激しく怒りますが、兄や妹に説得されて怒りを納めます。

 

6. 大洪水後

(1) 南極の氷が解けたため、洪水前は陸地だったところも海になっています。河川も大きくなっています。平野も峡谷も泥に埋め尽くされています。宇宙空港や関連施設も金属精練施設も泥に埋まりました。エンリルが疎んでいた地球人も死滅し、メソポタミアは泥に埋まった無人地帯です。

(2) アフリカの金鉱山と付帯施設設も泥に埋まりました。

(3) レバノンにある巨石ブロックに支えられた空の乗り物のプラットフォームだけは原型を保っており、瓦礫などを撤去すると使えるようになりました。

 

7. 地球は地球人に任す

 惑星ニビルの王族のエンキやエンリルはおよそ40万年前に地球に来ました。彼らはゼロの状態から金採掘精練システムを完成させました。エンキとエンリルの間に主導権を巡る確執が続いたものの地球への飛来の目的を達成して来ました。アヌンナキに2世が生まれて多少複雑になっても致命的な問題はありませんでした。ところが、エンキとニンハルサグが生殖可能な地球人を作ってから、種々の問題が発生しました。アヌンナキと地球人の結合でアヌンナキとも地球人とも言えぬ人も生まれます。純粋に金採掘の使命だけを果たすため、エンリルは大洪水を利用して地球人を根絶しようとしたのです。ところが大洪水の被害は予想を超えていました。これまでに建設した施設は使えません。新たな方法を考えねばなりません。

 
(1) 地球にいるアヌンナキは故郷星に戻れる可能性はありません。ニビルの環境に適合できない体に変わっています。地球で生きるしか途はないのです。大洪水で昔の姿を失った地球で生存する方途を探さねばなりません。アヌンナキの数は少なく、やらねばならないことは無限にありそうです。ニビルからの応援の可能性は不明です。

(2) ジウスドラとその家族は優秀です。現在はできなくても、教えればできるようになることは確実です。しかも地球人は高い繁殖力をもちます。短期間に数は増えるでしょう。

(3) 地球人を教育して多くの仕事を担わせ、自分たちは背後から彼らを指導する方法が現実的だと判断したのでしょう。

 

8. まとめ

 13,000年前の大洪水までは地球の主は少数のアヌンナキでした。王族のアヌンナキが彼らの社会を統治しました。最初は鉱山労働者として創られた地球人もその頃には各地に拡散していました。しかし、作物を作ることも、家畜を飼うことも知りませんでした。いわんや金属の採掘や精錬・加工などはまったく知りません。文字を書き、法律をつくり、交易をすることなども知りません。

 大洪水で地表にあるものは津波で徹底的に破壊されました。海水面も50から100メートルも上昇したため、陸の様相も大きく変貌しました。地球人の多くは大洪水で地表から消えましたが、王族のアヌンナキと地球人の女の間に生まれた半神半人の地球人の家族は残りました。これらの人を祖とする地球人に地球を任せることにしたのです。大洪水後はこの人達に農耕や牧畜、灌漑や治水、文字と記録、医療などの知識を教えていきます。もちろん全面的に任すのではなく、彼らの王を通して間接的に統治するのですが……。

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カテゴリ: その他

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