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ポルターガイストは江戸時代にも起こっていた!?

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「ポルターガイスト」はアメリカやイギリスなど欧米世界で多く語られる現象ですが、日本でも江戸時代には「ポルターガイスト現象」がいくつか存在していたのをご存知でしょうか。

江戸時代といえば、町人文化が発展して行くのとあわせて妖怪や怪異に多くの関心が注がれた時代。そんななかで日本のポルターガイストも不思議な怪異現象として記録されていたのです。

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家に小石が飛んで来るポルターガイスト現象

1854年ですから江戸時代の後期、まさにペリーの黒船が浦賀に来航したその年。江戸は麹町の卵を売る商家に、多い時には1日に50個から60個の小石や瓦の欠けたものが飛んで来るという事件が起こりました。

これは誰かのいたずらだろうと、その商家の者が屋根に上って犯人を捕まえようとしますが、屋根の上からあたりを見回しても誰もいません。それでも後ろから小石が飛んで来るのでそちらの方を向くと、今度は別の方角から飛んで来るのです。

さらには人びとを驚かせたのは、この小石や瓦の破片に当たっても、ぶつけられた人は傷ひとつ負わないということでした。確かに当たった感触はあるのですが、その痕が一切残らないのです。

そのうちにこの卵商人の家は小石が飛んで来る家として評判になり、多くの人たちが見物に来るようになります。あまりの人出の多さに町方の役人が見回りをするようになると、やがて小石が飛んで来る数が徐々に少なくなり、ついにはその現象は終わりました。

このような現象は「天狗つぶて」と呼ばれ、天狗や狐狸のしわざだとされました。これがヨーロッパなら悪魔や妖術によるものだとされるのかも知れませんが、日本では妖怪が起こす怪異現象と考えられていたわけです。

 

空から石塔が落ちて火が燃えるポルターガイスト現象

江戸時代の家に起こる怪現象はほかにもあります。

文化文政の頃(1804年から1829年)、上総国(千葉県)の久留里藩の江戸屋敷に勤める藩医に菊川寿庵という人がいました。この人は医者にも関わらず性格は剛胆かつ大酒飲みで、酔うと気が大きくなって言わなくてもよいことを言ってしまうことがありました。

ある日この寿庵が酒を飲んでいると、隣家で突然に空から石塔が庭に落ちて来て、そこに積んであった塵芥が燃えるという現象が起きます。これは妖怪のしわざだと大騒ぎになると寿庵は、それは面白いから我が家にも妖怪が来てもらいたい、と豪語しました。

そうすると、今度は寿庵の家に空から石塔が落ちて来て怪しく火が燃えます。この現象が毎日続き、寿庵は平然としていましたが家人は疲れ果てて引っ越すように言います。そこで浅草田原町に転居すると、そこでも石塔が落ちる怪異現象が起きます。それなら藩の屋敷であれば大丈夫だろうと下屋敷に移り住むと、そこでもいくつもの石塔が落ちて来て怪しい火も燃え上がり、藩屋敷の人びとも怖がります。

久留里藩としても放置しているわけにいかず、下屋敷や寿庵の周辺を数十人もの藩士たちで警護にあたりますが、怪異現象は収まりません。武芸の達人と言われる藩士が寿庵の家に乗り込むと、腰の刀がいつの間にか無くなっており、あわてて探すと縁の下で見つかります。そうこうしているうちに怪異現象は起きなくなりましたが、その原因はわからないままでした。

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