人の気質。ヨーガ的に「タマス」「ラジャス」「サットヴァ」と呼ぶ

人の気質は、大きく3つに分けられます。ヨーガでは、この3つを「タマス」「ラジャス」「サットヴァ」と呼びます。タマスは停滞・重さを意味し、ラジャスは活発・激しさを、そしてサットヴァは純粋・バランスのとれた状態です。

人は、この3つの要素をそれぞれに持っていて、ある時はタマスに傾き、ある時はラジャスに支配されます。また、生まれつきの傾向としてタマス的なタイプの人、ラジャス的な人、サットヴァ的な人と分かれている場合がほとんどです。この3つのタイプをより詳しく見ていきましょう。

タマスは、内気な人、インドアの人に多いです。特徴としては、優柔不断で物事を決められない人、眠るのが好きな人、部屋がなかなか片づけられず散らかっているなどです。

ラジャスは、行動力があり、常になにかをしていないと気が済まないでしょう。家には一日たりともいられません。部屋は綺麗にかたづけられ、カラフルな色合いを好み、部屋のいたる所に花や美しい装飾をしていることでしょう。

サットヴァの特徴は明晰で心が落ち着いているために、執着が少なく、質素な人が多いでしょう。泣くべき時に泣き、笑うべき時に笑うのも、自然体のサットヴァの特徴です。
これら3つは、それぞれが必要なものです。タマスの要素がなければ、人は眠ることができません。またラジャスがなければ活動する意欲が、サットヴァがなければ真の安らぎが得られません。

それぞれの欠点もあります。タマスは、怠惰で執念深いこと。ラジャスは、怒りっぽくて意識が散乱していること。サットヴァは、しいて言うならば人としての面白味に欠けることでしょうか。

ところで日本人は、意外にタマスの人に好意的です。優柔不断で引っ込み思案、恥ずかしがり屋な人に好意を持つことも多いでしょう。とても素晴らしい習慣です。

タマスのタイプの人は内気なだけに、活動的で決断力のあるラジャスのタイプに惹かれるのが自然。一方、ラジャスのタイプの人は、競争に疲れて安らぎを求めることからサットヴァのタイプに憧れるでしょう。

実際、サットヴァのタイプの人に仕事をさすと、覚えることはやや遅いかもしれませんが、慣れてくると質・量ともにもっともすぐれた仕事をこなしてくれます。計画や立案などもサットヴァの得意とする分野。これはサットヴァの持つ、心の落ち着きと、その落ち着きからくる集中力の高さによるものだと思われます。

どうでしょうか。タマスのタイプの人はより行動的に、ラジャスのタイプの人は安らぎや落ち着きに気を付けてみると良いかもしれません。

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