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風水が現代の日本でこれほどまでに定着した理由とは?歴史を超えた風水

清潔なバスルーム
 
人類の長い歴史の中で、数え切れないほどの思想が生まれては消えていった。あるものはいつか忘れられ、あるものは淘汰され、融合され、いくつかの優れた思想だけが生き残った。

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そのわずかな生き残りの中の一つが、風水である。風水が長く存在し続ける理由は、一体何か?

 

1・ 日本で生き続ける風水

およそ400年前、風水は日本人の生活の中で当たり前のように用いられていた。人々は風水に従って住環境を整え、吉凶の方位の教えを忠実に守っていた。しかし、江戸の終わり頃から現代に至るかなり長い期間、風水は失われた存在であった。多くの人が風水に関心を示さなくなり、風水は日本から全く消えてしまったかに見えたが、1990年代に風水の一大ブームが起き、風水は再び日本社会に広く浸透していった。そして現在に至る。

長い歴史を生き延びてきた風水は、再びその危機を乗り越えた。人々が関心を失ってしまった後も、風水が存在し続けることができたのは、風水の知識や技術を保ち続け、未来へ送り届けてきた人たちがいたからである。

 

2・ 風水を必要とする社会

例えば、インターネットで風水に関する情報を検索してみると、ある特定の分野のサイトに、風水の情報が多く載せられていることに気づく。それは、建築業界である。

例えば、新しい商業施設を建てることになったとする。大きな空地が見つかったので、早速作りましょう。ということにはならない。一般的なことで言えば、近隣の様子を調べ、車の出入りのための道路の状況を確認し、建築可能かどうかの土地の条件を調べ、人が集まるかどうかシミュレーションを行う。そしてさらに、土地そのものの調査を行う。なぜ空地だったのか?土地の下に何があるか?そして、気の流れはどうか?流れが滞っているところはないか?周囲の大きな建物や自然環境との関係はどうか?設計段階でも、利便性を考えた設備や出入口の配置だけでなく、建物の中をどのように気が流れるかというところまで気を配る。こういった努力によって、その施設が長く人々に愛されるか、5年ほどで閉鎖されてしまうかという結果が左右されるとしたら、建築の現場に風水を持ち込むことには大きな意味がある。

 

より風水が深く根付いているシンガポール

発展著しいシンガポールでは、大きな建物を建てるときには、ありとあらゆる風水の知恵と技術を注ぎ込むと言う。その傾向は年々強まり、風水建築は増え続けている。それは何を意味するかというと、風水が単なる迷信やおまじない的なものではなく、確実な効果をもたらすものなのだということなのだ。
これが、単なるブームではなく、風水が必要とされ続ける理由である。

 

3・ 生活の中の風水

恋愛運を良くしたいとか、ちょっと興味があるのでインテリアに取り入れてみたい。という気軽な風水へのアプローチ以外に、生活の中に組み込まれている風水がある。

例えば鬼門の概念である。鬼門の東北の方位と、裏鬼門の南西には、水場(浴室、キッチン、トイレ)を設置しないようがよいとされている。鬼門の解釈は様々あるが、この根底にあるものはなにかといったら、太陽光が入りにくいところに浴室などを作ると、湿気が溜まってカビが生えやすい、薄暗いキッチンは不衛生になりやすい。ということなのである。気の通り道をつくり、家の中を清潔に保つことで健康な生活を送れ、したがって運気が良くなる。というのは、家の中の風通しを良くし、いらないものを捨てて掃除をしないと、病気になりやすいよということなのである。

 

風水は生活の知恵

風水が忘れ去られた時代にも、生活の中に根差して存在しつづけた風水の教えは、生活の知恵であった。よりよい住環境を整えるという、風水の根本的な理念を思い出すと、なぜ風水が世界に広まり、多くの人に多くの人に受け入れられいてるのかということが、よく理解できる。

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