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土の精霊グノームと庭を護る小人のガーデン・ノーム

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土と大地の精霊「グノーム(ノーム)」と言えば、欧米圏の人であれば「ガーデン・ノーム」をすぐに思い浮かべるかも知れません。

ガーデン・ノーム(庭小人)とは、ガーデニングが盛んな欧米で家や庭のお守り、あるいは飾りのエクステリアとして庭に飾る小人の人形のことです。見かけはアニメの「白雪姫」に出て来る7人の小人によく似ていますが、多くは男性の小人で白く長いヒゲを蓄え赤い三角帽子(フリジア帽)を被った老人の姿をしています。また女性の姿をした小人もいるようです。

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古代ローマから続く庭小人

このガーデン・ノームは、もともとは19世紀にドイツで作られたもので、ドイツ語では「庭のドワーフ」と呼ばれましたが、それがフランスやイギリスに広まりイギリスでは「庭のノーム」に名称が変えられました。つまりイギリスでは、土を護る精霊や妖精の名前としてノームの方が一般的だったということでしょう。

庭に小さな像を置くという習慣は古代ローマにまで遡り、ギリシャ神話の庭園と果樹園の守護神で男性の生殖力の神でもあるプリアポスがよく置かれていたそうです。ルネサンス期以降は「グロテスク」と称されるけばけばしくペイントされた小人の像が置かれるようになり、イタリアでは「ゴビ」と呼ばれる小人の像が置かれていたそうです。

ザルツブルグのミラベル宮殿にある1690年に設計された庭園には、小さな子供くらいの背丈の様々な姿をした28体の小人の大理石像が置かれていて、現存する最古の庭小人の像といわれています。

現在のガーデン・ノームの姿になったのは、19世紀の中頃にドイツ・ドレスデンのベア&マレシュ商会が陶磁器製のガーデン・ノームを製造したのが最初ということです。

 

ハリー・ポッターの庭小人はガーデン・ノームとは別物?

庭小人のノームと言えば、J・K・ローリングの「ハリー・ポッターシリーズ」に魔法生物として出て来ます。しかしこのノームは土の精霊のノームやガーデン・ノームとは別物で、魔法使いの住む家の庭を棲みかにしているちょっと困った生き物。ハリー・ポッターの魔法世界では、一般家庭の害虫に区分されています。

身長は30センチほどもあり、人のような容姿であるものの頭はジャガイモようなカタチをしていて大きく横長で、色も茶色。基本的には無害ですが、歯が鋭く尖っていて時には噛み付かれるので要注意です。

このノームの足を掴んで、目が回るほどにぐるぐる振り回して庭の外に放り投げると、巣穴に戻る道がわからなくなって庭から追い払うことができます。

この魔法生物は「ハリー・ポッターシリーズ」の創作上のものですが、ガーデン・ノームが盛んなイギリスならではのものかも知れません。

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