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北欧神話ラグナロクのオーディン。神様らしからぬ神?

ラグナロク

スカンジナビア半島を中心に、数百年から1000年ほども伝承されているという北欧神話は、最終戦争であるラグナロクの逸話を擁する有名な神話のひとつです。

北欧神話の主神であるオーディンは、「戦争と死の神」という不吉な存在なのですが、オーディンという言葉は、北欧神話で主に使われているという古ノルド語における元の意味を「狂乱」や「激怒」、または「激怒するもの」という意味を持っているように、非常にユニークで、なおかつ神らしからぬなキャラクターを持つものとして描かれています。

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アース神族に属する

オーディンは、好戦的な集団として北欧神話の世界の中で知られているアース神族を率いていたといわれ、ラグナロクを引き起こしたヴァン神族との争いの中心的な役割を担う神です。

ヴァン神族は、魔法を駆使できる神族として描かれており、争いの当初は、両神族がたがいに人質を提示して交換する、という形で平和を維持していたようです。

しかし、アース神族があるとき差し出したニーヘルのいう人質が、ヴァン神族にとってなんら役に立たないことを察知したヴァン神族に属する神々が、ニーヘルの保護者ともいえるミミルという神の首をはねてしまったことから和平は中断し、さらには両神族の断絶を発生させてしまいます。

このミミルという神が、多くの知恵を持っていたことから、オーディンはその死を惜しみ、死体を知恵の泉に安置したうえで泉の水を飲み、片目を失いながらミミルの知恵を授かった、といいます。

 

 

ラグナロクに備えた演習を繰り返していた

またオーディンは、アースガルズのヴァーラスキャールヴという、神々が存在する世界に住み、フリズスキャールヴという高座に座して、神々の世界を常に監視していた、といいます。

知識欲の高いオーディンは、フギンとムニンという二羽のワタリガラスを所有し、フリズスキャールヴに鎮座しながらも、さらに多くの知識を収集していたそうです。変身能力にも長けていて、蛇と化したり、美青年の姿になったりして「詩の蜜酒」という知識のもとを略奪したりすることもおこなっていました。オーディンは略奪した「詩の蜜酒」を、詩の才能のある人間にも与えているところを見ると、知識欲が深いだけではなく、その知識を広く浸透させることにも非常に興味があった、とのことです。

こういった形で知識の収集や人間への共有化をおこないながらオーディンは、最終戦争であるラグナロクに備えて、何度も演習を繰り返していた、といいます。

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カテゴリ: その他

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