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(中編)人間はなぜ予知夢を見るのか?脳が行う体験の補完とは

予知夢

 

人間の脳の働きとして、「眠っている間に記憶をランダムに抜き出す機能」があり、その結果夢を見るのですが、中には「未来の記憶」ともいえるものも混在していて、それがいわゆる「予知夢」として認識されることになります。
大昔にはこれを「神の啓示」としていた時代もありました(場合によっては今もそのように扱われることもあります)が、脳が記憶として認識している「未来の姿、体験」について、「神の啓示説」の他の可能性も見ていきましょう。

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体験をも補完するという脳の働きが作用している?

脳には、「ランダムな体験や記憶を、つじつまがあうように整理して、一連の流れとして認識させる」働きがある、とされていますが、このことと予知夢には、なんらかの関係があるのではないか、といわれています。たとえば、とある出来事を現実世界で体験した場合、人間が認識できる範囲は、あくまでも「目や耳や手など、いわゆる5感ではっきり認識した範囲」でしかありません。

 
5感を持って脳が「現実である」と認識していない部分、つまり「起こるかもしれない可能性の世界」については、(起きて活動している間は)脳の記憶域には保管されていません。可能性を含めて「体験」として認識し、一連の流れとするには、「起こるかもしれなかった出来事をも含める」必要がある、と考えられます。先に述べたような脳の習性を考慮すると、脳が「可能性の世界」を補完したとしても不思議ではありません。この「脳が自動的におこなっている、体験の補完機能」こそが、予知夢なのかもしれません。

 

 

可能性の世界は無限にある

そう考えると、たとえば「一度見ただけの他人と、なぜか親しくしているような夢」を見て、それが現実になったとしても、可能性としてはありえる話です。可能性の世界は無限に存在しているので、予知夢は、いわば「脳による体験シミュレーション」であり、可能性がゼロではない限り、それが現実のものとなる可能性も存在している、ということです。

 

 

補償作用としての予知夢

また、夢の働きとして、「脳によって心身の均衡を保つ機能」を持っている(専門用語で「補償作用」といいます)、といわれています。「体験の可能性がランダムに組み合わされて夢となる」理由が、「心や体のバランスを保つ=健康に生存し続けること」であったとすると、予知夢を見ることの原因も、この「補償作用によるもの」という説明もできそうです。こういった領域の研究は、心理学の分野にもおよんでいます。

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カテゴリ: その他

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