> >

ムー大陸はなかった!?深海堆積物から見たその根拠とは?

7352463e091501182c5cc2c35199f4ff_s
 
かつて太平洋の真ん中に大陸があった、という伝説が伝えられており、その大陸はムー大陸として、これまで何度も真偽が協議されてきたのですが、「ムー大陸はあった」とする説には科学的な根拠が乏しいこととは対照的に、「ムー大陸はなかった」とする説には、かなり信憑性の高い根拠があることも、少なくありません。「ムー大陸はなかった」とする説の中でも、特に説得力のある説として知られているのが、「深海堆積物の年齢による説明」です。

スポンサードリンク


 

陸地であったかどうかがわかる深海堆積物

近代のエネルギー開発において、海底のボーリングは世界中でおこなわれ、その際には海底の地層の調査もあわせておこなれてきました。海底は、深海堆積物という物質に覆われており、これによって海底が「かつて陸地であったかどうか」が識別できる、といわれています。深海堆積物は、海水に含まれているプランクトンの死骸などによって構成されており、これらが何万年、何億年という歳月をかけて降り積もることで形成されていきます。さらに、プレート運動を利用して、深海堆積物は移動していきます(プレート運動とは、プレート理論と呼ばれる考え方の中で定義された地球科学上の学説で、地層は何層かの固い岩盤=プレートで構成され、これらがマントル=地殻の内側にある、火山の噴火などで地上に現れることのある、マグマのような流動的な物質の力で運動する、としています)。

 

一億年以上前の地球の営みも顕に

つまり、運動する地層と、そこに降り積もる深海堆積物によって、「海底がどのくらいの期間、そのままの状態(つまり海の底のままの状態で、陸地になった形跡がない)であったのか」がわかる、といわれています。この学説によれば、「太平洋全域の海底は、過去に一度も陸地であったことはない」、という結論が導き出されています。古いところでは、海底としての年齢が、一億年以上となっている場所も存在しているそうです(比較的新しい海底でも、数百万年というレベルです)。ムー大陸が海底に沈んだといわれている時期は、約1万2千年前頃、とされていますので、海底年齢に照らし合わせると、「そういった事実は認められない」、ということになります。もし一度でも陸地であったことがある海底であれば、深海堆積物が削れていたり、年齢が進んでいる他の場所と明確な差異が認められるはずなのですが、ムー大陸があったとされる太平洋海底では、残念ながらそのような痕跡は、見つかっていないようです。

このエントリーをはてなブックマークに追加


スポンサードリンク
スポンサードリンク

カテゴリ: その他

Comments are closed.