> >

ジョン・タイターはなぜ未来からやってきたのか

time
 
世界中がシステムの「2000年問題」を迎えていた2000年のインターネットの世界に、突如現れたジョン・タイターと名乗るキャラクターは、インターネットの掲示板やチャットで、自身を「2036年からタイムマシンに乗ってやってきた」と発信し、使用したタイムマシンの設計図まで公開する、といったユニークな活動をおこないました。

出現から数か月後にはネット上からあとかたもなく姿を消したジョン・タイターですが、彼が2000年の世界にやってきたことには、理由がありました。ジョン・タイターは、なぜ2036年の未来から、2000年の現代世界にやってきたのでしょうか。

スポンサードリンク


 

「2000年問題」の骨子

ジョン・タイターが現れる前のタイミング、つまりシステム業界が「2000年問題」に揺れていた20世紀末期、コンピュータシステムの世界では、もうひとつ未解決の課題がありました。

「2000年問題」のほうを簡単に解説しますと、西暦が1900年代から2000年代に変わることで、システムによっては西暦の下2桁しか持っておらず、何も対処しなければ99年の次が00年となり、システムが持っている日時データがおかしくなったり、画面や帳票における時系列順のソートや照会が正常に動作しないという事象が起こる、というものでした。

これはコンピュータハードや言語によらず、システム全般に影響をおよぼす仕様レベルの問題でした。現在はほぼ完全に収束している事象です。そしてもうひとつの問題事象が、「2038年問題」です。

 

「2038年問題」の解決が目的だった

ジョン・タイターはその発信の中で、「(2000年時点でまだ解決策が浸透していなかった)2038年問題を解決するために、2036年の世界から来た」と述べています。2000年の世界にタイムトラベルしてきた直接の理由は、「2038年問題の解決」であったようです。

「2038年問題」とは、UNIXというコンピュータのオペレーションシステムが、2038年以降は正常に動作しなくなる、というものでした。2000年時点でこの問題が起こらないメジャーなコンピュータマシンがIBM5100のみであったことから、ジョン・タイターは、2036年時点では世界中から消えてしまっていたというIBM5100を手に入れるために、2000年の世界に来た、とのことです。

もっともこれは「表向きの理由」、または欧米一流の「ジョーク」であった可能性も捨てきれず、誰がどんな意図を持ってこの情報を流布したのかは、今もって判っていません。

このエントリーをはてなブックマークに追加


スポンサードリンク
スポンサードリンク

カテゴリ: その他

Comments are closed.