「気」のある姿勢
正しい姿勢は、予想以上に重要です。頭をもたげた姿勢では、降りそそぐ自然のエネルギーの恩恵を受けられません。曲がっていると、体内のエネルギーの流れもスムースではなくなります。
それでは、背筋をビシッと伸ばすのが良い姿勢でしょうか。背筋をビシッと伸ばすことで身体に力がはいり、硬直します。
言い換えれば緊張状態です。緊張するのが良いはずがありません。正しい姿勢とは、楽であって安定感があります。安定感があるから持続性もあります。緊張でも弛みでもないのが、正しい姿勢なのです。
次に立ち姿勢をみてみます。やや肩幅を広くとり、膝をゆるめて腰の重点を下げます。下げた状態から、もっとも楽で安定感のある位置まで上げます。それが、正しい立ち姿勢です。それでも分かりづらい時は、膝をちいさく揺すってみます。安定する重心を探りあてるまでやってみましょう。
コツは、意識を下半身に当てることです。目や耳があるのですから、私たちの意識はいやおうなしに顔の辺りにあります。顏周辺のエネルギーしかスポットが当たっていないのです。体全身のバランスをとるために、いつも意識を下半身に向けることが大切です。
歩き方にも問題があります。シューズは、足首を固定する機能があります。これによって私たちは、踵から着地し、つま先を使わなくなりました。裸足の場合だと、つま先から踵へとスムースに体重移動がなされます。これがクッシュンとなって衝撃をやわらげるのです。
裸足で歩くほうが健康的といえます。裸足が無理ならば、サンダルでも同様の効果を得られるでしょう。
また、つま先を使わないと、そこまでエネルギーが行き渡りません。歩行は、足裏の狭い範囲でおこなわれています。その3分の1が使われないのだとしたら、もったいない話ではないでしょうか。
姿勢を正しくするだけで、随分、異なる自分を発見できるかもしれません。