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1.世界の七不思議、オリンピアのゼウス像概要(前編)

オリンピアのゼウス像

 

七不思議という言葉は、今では日本でも慣用句として用いられているほど一般的な表現ですが、これに「世界」が付いた、世界の七不思議という概念は、もともと紀元前260年頃~紀元前180年頃に実在していたという、古代ギリシャの数学者兼旅行家である「ビザンチウムのフィロン」という人物によって、紀元前225年頃に提唱されたものが発祥である、とされています。

 
その後紀元前5世紀頃に、ギリシャの歴史家ヘロドトスが、世界の七不思議として本格的に命名したものが、現在も認識されている世界の七不思議になります。
地中海や小アジア地域全般に当時存在していた建造物の中から、規模や荘厳さを基準に「驚異的な建造物」として七つが選ばれているのですが、建造物として現在も残っているのは、エジプトにあるギザのピラミッドのみとなっています。
ここではそのひとつ、オリンピアのゼウス像をご紹介します。

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ギリシャ神話の天空神ゼウス

まず言葉の意味なのですが、オリンピアは地名であり、現在のギリシャのペロポネソス半島西部にかつてあったとされる古代都市を指します。
次にゼウスですが、こちらはギリシャ神話に登場する多くの神々の中でも最高位にある、とされている、天空神に位置づけられる神の名になります。
オリンピアのゼウス像も、ギザのピラミッド以外の七不思議同様、現在は像自体は残っておらず、あくまでも前述のフィロンの七不思議提唱からの推測に留まっていますが、古代都市としてのオリンピアは、実在していたと考えられています。

 
当地には、今もアルヘア・オリンビアという名の町があり(現代ギリシャ語では、「オリンピア」ではなく、「オリンビア」のほうが実際の発音に近いそうです)、古代オリンピアの跡とされる遺跡が存在しています。
オリンピアの遺跡は、ユネスコによって世界遺産として認められ、1989年に登録されています。

 

 

紀元前435年頃に作られた?

記録によるとオリンピアのゼウス像は、紀元前435年に、当時の高名な彫刻家であるペイディアスという人物によって建造された、とされています。
像があった場所は、同じく紀元前の5世紀頃に当地に建設されたゼウス神殿(こちらも現在は廃墟が残っているのみです)の奥とされ、その姿は天空神ゼウスを精緻にかたどったものである、とのことです(当時信じられていたゼウスの姿を、忠実に作り上げたもの、と思われます)。

 

 

ゼウス像は座っている姿とされている

ゼウス像は座像(座っている姿を形どったもの)であったのですが、像の全幅は、ゼウス神殿の通路とほぼ同じであり、高さは約12メートルもあった、といいます。
このため前述のフィロンは、その著書の中で、「ゼウスが立ち上がったら、屋根を突き抜けてしまうだろう」、と記しています。

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カテゴリ: その他

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