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信仰の対象になったガルダ…インド神話の輝く神鳥にまつわる物語

ガルーダ
 
インドに古くから伝わる物語にインド神話があります。ギリシャ神話や日本の神話などと比較すると、日本ではそれほど浸透していないインド神話ですが、キリスト教圏の物語のキャラクターに勝るとも劣らないユニークな神獣や神鳥がたくさん登場しています。ここではそんなインド神話のキャラクターのひとつ、神鳥ガルダをご紹介します。

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ガルダの語源と意味

ガルダは炎を連想させるような、光り輝き熱を放つ体を持つ鳥の姿をした、インド神話に登場する神鳥です。ガルダは、アジア全域に浸透した後に人身鳥頭でも描かれるようになりました。その体は伸縮自在ともいわれています。インドネシアの国章やモンゴルのウランバートルの市章にもなっていて、金色の体に、胸には盾をあつらえ、足は巻き物をつかんだ姿をしています。語源はサンスクリット語やヒンディー語といわれていて、英語やインドネシア語ではガルーダと読みます。漢字で「迦楼羅(カルラ)」と表記されることもあります。

 

蛇や龍と敵対関係にあった理由

インド神話の物語によると、ガルダはヴィシュヌという神様の乗り物(ヴァーハナ)で、ヴィシュヌから不死性(死なない力)を与えられている神鳥とされています。ガルダは、ナーガ族という悪蛇(古代インドの伝承にある、龍もしくは蛇のような姿をした幻獣)と敵対関係にあり、蛇族を食料にしていたともいわれています。敵対していた理由は「ガルダの母がつまらない賭けに負けて、ナーガ族の奴隷になっていたから」、とのことです。インド神話より後世の説話集では、「ガルダとナーガ族は最終的には和解した」という物語も伝わっています。ちなみにナーガ族=蛇の舌の先が2つに割れていることの原因として、「ガルダとナーガ族の争いの中でクシャの葉をなめて切れてしまったため」だそうです。ガルダは「奴隷となった母を解放することと引き換えに、ヴィシュヌの乗り物となった」、とも記されています。

 

神と間違えられるほどの輝きを持つガルーダ

ガルダは生まれたばかりのとき、あまりにも光り輝いていたために、火の神アグニと間違えられ、神々にも礼拝されていた、といいます。今でもガルダは「蛇を食べる神聖な鳥」、そして「母を救うために、勇気を持って困難に挑んだ神鳥」として、前述のインドネシアやモンゴルでは信仰の対象となっていたり、航空会社の名称(ガルーダ航空)になったりしているのですが、そのルーツは、インド神話のガルダのエピソードにあったのです。

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カテゴリ: その他

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