どこから見ても顔が見えない不思議な女性。夜の公園のベンチにて

あれは私が子供のころ、幼稚園児ぐらいの事だったと思います。
そのころ、私はよる8時か9時ごろになるとよく、パパにつれられてによるの公園にお散歩におでかけしたものでした。

ごくごく普通の公園です

だいたい30分ぐらい　夜の公園をめぐって返ってくるのですが、昼間あそんだ公園とは、全く違って見えて、ちょっとした冒険をしているよな感覚でワクワクしたものでした。
ある日のこと、この日は泊まりに来ていたいとことパパと3人で、いつものように夜の公園へおさんぽにでかけました。
その日は、自宅から２００ｍぐらいのところにある公園へよるのお散歩へ出かけました。
よるの9時ぐらいでしたが、昔は今ほど外套も少ないので、これくらいの時間でもいつも真っ暗に感じられました。
近所の公園は割と大きく、公園のまんはかには冬場は軽くスキーができるような2つこぶの山があって、その周辺がサイクリングロードで囲まれているような構造をしていました。

ベンチにいた女性

公園に足を踏み入れてすぐにベンチに女の人が座っているのを見かけました。
その女の人のかみは長くて、ちょうど斜め右後ろから眺めていたのですが、長いかみのせいで顔は見えなかったのです。
それでその女の人は、真っ暗だと言うのに、雑誌のような本を読んでいました。
よんでいるというよりも、しきりにページをめくっていました。
バサッ　バサッというページをめくる音が何かその女の人の感情を表現しているかのようでした。
私はココロのどこかで、オバケかな？っと　その状況から判断できる最も妥当な回答を思い浮かべました。

 
しかし、まだ半信半疑で、さらに好奇心の方が上回っていたので、その女の人の顔を見たいという衝動にかられました。
ダメだ、そんなことをしたら、後で後悔する、という考えもどっかにあったのでしょうが、それよりも好奇心が旺盛(子供だから)だったのでしょう。
こう右足を一歩踏み出して、その女の人の顔を見てやろう、とココロに思うと、考えるよりも右足が反応してしまい、えいと踏み出してしまいました。
その直後、アレ、この角度なら顔が見えてもおかしくないのになっ　何で見えないんだろう、という事態になりました。
まるで、私が一歩ふみだすと同時に、同じ方向に女の人の周囲だけがその角度分回って、見えなくなった、そんな不思議な感覚になりました。

いとこも同じことを思ったようです

その時、私のちょうど右側から、何してるの？　といとこが話しかけてきました。
それをきっかにしてその場からは離れてしまいました。
そして、公園の外に出て、そろそろ帰ろうかと言う時に、いとこが、あのベンチに座っていた女の人顔がないから、オバケかと思った　といったのです。
それをきいたパパはいちもくさんにげろ～といって私たち二人を置いて走ってにげだしました。
後の二人もそれをおうように逃げました。

 
ここで、不思議なことに気づきました。
私といとこはオバケかなッとおもっても、逃げよう、怖いとは思っていなかったようです。
一方大人のパパはものすごく怖がってました。
結論として、子供はおばけがこわくないっ、怖いって知らされる以前の状態なんだな、怖いというのは周囲の影響に曝された結果それをこわいものだと認識させられてしまうだけの錯覚（若しくは洗脳）なんだなって思いました。

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