2038年問題?ジョン・タイターの予言が注目された理由
2000年、既にインターネットが一般庶民にも行き渡り、日本でも「2000年問題」など、システム上のリスクが取り沙汰された時期に、ジョン・タイターはインターネット上に突然現れ、さまざまな発信を始めました。
現代においてもインターネットの情報が「玉石混交」なことは同様なのですが、2000年当時の人々も、はじめはジョン・タイターの発言を、真に受けはしませんでした。なにしろ「2036年の未来からやってきた」などと、タイムマシンがあるかのような説明をしていたからです。
しかし、いくつかの発信内容は、注目に値すべき内容でもありました。それが、2000年当時にジョン・タイターが発した「予言」の数々です。
超常現象関連のチャットに初登場
ジョン・タイターは、はじめは超常現象系のインターネット上のチャットに、「TimeTravel_0」というハンドル名で現れました。「フロリダ出身のアメリカ人で、2036年からタイムマシンに乗ってやってきた、タイムトラベラーである」と名乗っていたそうです。
当時彼が話題にしていたのは、登場した年の直近に世界中で話題となっていた、コンピュータシステムの「2000年問題」で、ちょうど彼がチャット上に登場した時点で、それまで紆余曲折があったものの、一応は解決していたのですが、実はもうひとつ、世界中のコンピュータシステムで、将来問題を巻き起こしそうな課題が残っていました。それが「2038年問題」です。
これは、UNIXというコンピュータのオペレーションシステム(通称OS)を使ったシステムが、2038年以降に制御不能になる、というもので、システム開発関係者の間では、半ば常識として浸透していて、現在ではほとんどトラブルシューティングが完了している事案でもあります。
2000年問題と2038年問題
しかし、2000年問題がまさに解決できた2000年当時、「2038年問題」のほうは、まだ解決していませんでした。ジョン・タイターがやってきたという2036年の未来では、2038年問題が解決しないまま2036年を迎えていたらしく、世界中で大混乱が発生する見通しとなっていた、といいます。
ジョン・タイターは、2038年問題以外にも、いくつかの興味深い「予言」を残しているのですが、まず最初に彼の信ぴょう性をはね上げたのが、UNIXを使っているシステムにおける「2038年問題」への言及だったのです。
ちなみに同じチャット上の発言では、システム的な混乱を、2000年時点で既に考慮して製作されていたという唯一のコンピュータマシンである「IBM5100」にも言及しています。