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トルマリン?!ルチルクォーツという名称で流通する偽物のルチル

ルチルクォーツ
 

最近の天然石には偽物があると言われておりますが、ルチルクォーツには偽物があるのでしょうか?

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これは私も気になることでしたので、一度調べて見たことがありますので、ご紹介したいと思います。

 

本物?トルマリン?「ブラックルチル」

通常偽物というと、ルチルではないものと考えるのが一般的です。
ですが、このルチルではないといいうものでも、ルチルとして流通しているものもあります。

そこが天然石の難しいところです。

例えば、ブラックルチルです。

これはいわゆる、ブラックトルマリンインクォーツをいうもので、日本語にすると黒針水晶という呼ばれ方をします。

しかし、ルチルクォーツの黒といえば、日本語にすると黒針水晶となり、日本名でいうと全く同じものなのです。

そこで鑑別機関などで調べてみると、日本名、黒針水晶、鉱物名、宝石名トルマリネイテッドインクォーツなどと記載されます。

さらに厄介なことがあり、加工の本場中国などでも、トルマリンインクォーツとして販売しているところもあれば、ブラックルチルとして販売しているところもあるのです。

 

日本で流通するブラックルチルのほとんどはトルマリン

日本では、ブラックルチルが見たいとお店などで伝えると、95%くらいの確立でブラックトルマリンインクォーツが出てきてこれはトルマリンであって、本当のルチルではありません。などという説明もなく普通にブラックルチルとして販売されています。

確立や割合の問題ではないかと思いますが、針水晶=ルチルという考えが根強く浸透している背景により、このブラックルチルひとつにしてもどちらか正しいのかという物議が醸し出されるところです。

実際に日本のほとんどのお店でブラックルチルと言われるものはトルマリンのようです。

そのブラックトルマリンをブラックルチルとして販売しているお店さんが沢山いるなかで、それを偽物というのがどうなのかという部分がとても曖昧です。

 

ブルールチルはトルマリン

またブルールチルにも同様のことが言え、実際はルチルではなく、インディゴライト入り水晶やブルートルマリンというのが鉱物学的観点からみたら正しいのです。

ですが、実際の知名度としてはブルールチルとしての流通のほうが圧倒的に多く、ほとんどの方がブルールチルというものが実際にあると思っているようです。

事実、鉱物学的に観れば、ブルールチルは存在しなくただ流通している名前の青針水晶という俗称なだけなのです。

 

「ブルールチル」は実際には存在しない

ブラックルチルと同様にこの説明をするお店もあれば、していないお店もあります。

ブルールチルの存在はなく、名前だけで青針水晶=ブルールチルとして名が通ってますので、しなくてもいいというお店もあると思いますが、お客様がどのような意図でブルールチルを欲しいと思っているのかで、説明の義務などが変わってくるのも事実あるように思います。

すべてに説明をする必要もある反面、実際のブルールチルは存在しないわけですから、それがブルールチルだと言ってしまえばそれまでです。

また、本屋さんなどで販売されている、パワーストーンの本などにも、ブルールチルの記載がある本もあれば、除外されている本もあります。

ですが、鉱物学のもう少し専門的な書籍には、まずブルールチルの存在は記載されていません。

業界や市場の流れなどもあるようですが、パワーストーンブームが日本に到来したことにより、その書籍自体も変化してきているように思います。
今後がブルールチルが掲載される専門書なども出てきておかしくないのかもしれません。

 

グリーンルチルとリアルグリーンルチル

そしていままではグリーンルチルもアクチノライト入り水晶やグリーントルマリンがほとんどで、実際のグリーンルチルというものはないと言われてきましたが、最近新たにグリーン色のルチルが発見され、それをリアルグリーンルチルなどと呼び販売しているお店もあるようです。

そういったお店はしっかり鑑別機関などで検査を行い、正しくルチルクォーツと記載されたことを確認した上で販売されていることと思いますが、自然の生み出す天然石は、日々進化しており、今までないと言われていたものが急に出てきたり、また今までよく見ていたものが、急に見つからなくなったりと動向が激しいことでも有名ですので、片手間で販売しているお店さんでは時代の流れや自然の流れについていくことは難しいのかなと思います。

 

パープルルチルはルチルクォーツではない

そして、ブラック、ブルー、グリーンなどのルチルは大分前から鉱物学的にはルチルではないと言われてきましたが、最近紫色のルチル=パープルルチルなどと言われるものも新たに販売されている光景を目にしました。

実際のところ、このパープルルチルとはスーパーセブンという石の中に入っている鉱物、レピドクロサイトインクォーツ、もしくはゲーサイトインクォーツと呼ばれるものだということが判明しました!

これがとても複雑なのですが、そもそもスーパーセブンという呼び名も流通名であって、実際の鉱物名にするとレピドクロサイトインクォーツ、もしくはゲーサイトインクォーツなどと呼ばれる名称になります。

これをさらにパープルルチルというわけですから、二段階で名称が変わっているということになります。

とても不思議な世界ですね。
紫針水晶と言えば正しいのかもしれませんが、ここまでくるとちょっと行き過ぎのような気もしますね。

 

「ルチル」の名称はお店によっても考え方が異なる

このように針水晶=ルチルと考えるお店もあれば、鑑別結果有りきで、鑑別書にルチルとでなければルチルではないというお店、または、流通量の浸透具合や知名度などで、ブラックルチル、ブルールチル、グリーンルチルは置いてもいいが、パープルルチルまではちょっとやりすぎかなと考えるお店など、お店によって様々です。

ルチルには様々な色みのものがり、事実、今後また新たな色をルチルがでることも考えられます。

是非お買い求め頂く際は、これは鉱物学的にルチルなのでしょうか?もしくは、鑑別書をお願いしたらルチルと出ますか?などと聞いてみるといいと思います。

 

現段階では鑑別書が真贋の最終結果

鑑別結果でルチルとでるのであれば、それはまずルチルです。
後は、その名称の付け方が何色のルチルに属されているのかというだけです。

鑑別結果にルチルとでるのであれば、それはまず偽物ではありません。

しかしながら、流通名などの話は抜きにして、完全なる偽物のルチルがあるとすれば、針を水晶内部にいれ込む、超本格的な偽造ルチルです。
そのようなルチルがもしあるのであれば、一度みてみたいものです。

私も未だかつてそのようなルチルは見たことはありませんが、今後そういったルチルが生み出されてもおかしくありません。

それだけ、ルチルは世界的に人気な天然石だということですね。

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この記事は当ブログのライター「ねみねみ」が書きました。

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