ヨーロッパで狼男のイメージが定着したのは12世紀から13世紀の頃、中世の時代だそうです。それはヨーロッパにキリスト教社会が広がり、根を下ろしていった時代でもあります。 北欧神話に代表される古い神々が追いやられ、ヨーロッパはキリスト教を絶対的 …
16世紀の錬金術師、パラケルススが提唱した「人間の肉体の三大構成要素(硫黄・水銀・塩)」、そして肉体を動かしたり、生活したり、思考したりするための原動力、つまりはいわゆる「霊的な概念」をあらわすキーワードである「アルケウス」を研究する一派は …
ヨーロッパの狼男の源流は、古代ギリシャやローマの地中海世界とヨーロッパの北方、北欧神話のなかに伝わっていました。狼は地球の北半球に広く分布していましたから、当然に狼男の源流も各地にあったのだと思います。特にヨーロッパでは、北欧からドイツ、東 …
錬金術は、中世ヨーロッパのいわゆる「ルネッサンス時期」に、大きな広がりを見せました。それまでの冶金術的な要素に特化した概念から、物理学的、医学的な概念をも備えた、裾野の大きな概念に変貌していきます。 この時期に登場した錬金術師がパラケルスス …
北欧神話のなかの狼男の源流として、「フェンリル」という怪物も忘れることはできません。フェンリルは人間が変身した獣人としての狼男からは少し外れますが、北欧の神話世界のなかで狼がとても重要な恐るべき存在であった、ということの象徴として伝えられて …
紀元前、古代ギリシャでアレキサンドリア錬金術として生まれ、アラビア・イスラム世界を経て、中世ヨーロッパでさらに熟成を進めた錬金術は、並行して発達した中国やインドの錬金術的思想などとともに、現代化学や医学、ひいては宗教や価値観という、幅広い領 …
最高神であり戦争と死を司る神オーディンが、ヴァルハラと呼ばれる死者の館でゲリとフレキという2頭の狼を従え、また「ウールヴヘジン(狼の毛皮を被った者)」という死をも厭わない戦士を持っていたように、北欧神話の世界において狼は特別な存在でした。 …