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人は輪廻転生をする?生まれ変わりは本当にあるのか

輪廻転生

「輪廻転生(りんねてんしょう)」という言葉をみなさんはご存知でしょうか。
一般には、過去に死んだ誰かが時や空間を超えてあらためて別の生を受けること。つまり人は死んでそれですべてが終わるのではなく、再び別の誰かに生まれ変わる、ということを表した言葉です。

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人は死んだらどうなるのか

それはわたしたちが解くことのできない永遠の謎です。なぜなら、死んだあとのことを誰も証言できないからです。

そもそも死を迎えた人の意識や記憶がどうなるかもわかっていません。目や耳など人が何かを知覚する器官やそれをコントロールする脳、身体を動かすための中心部である心臓など、身体の機能がすべて停止したとき、それまで普通に働いていた意識や記憶、そして心の働きはどうなるのでしょう。

人は死んだら、まったくの「無」になるのでしょうか。それすらも生きている人間には、明確に証明することはできません。ですから、死んだとしてもまた別の誰かに生まれ変わるのではないかという輪廻転生は、人が死んだあとどうなるかという巨大な謎に答えようとする考え方であるとともに、それ自体も大きな謎なのです。

 

 

輪廻と転生

日本では輪廻転生とひとくちに言われますが、そもそもこの言葉は「輪廻(りんね)」と「転生(てんしょう/てんせい)」というふたつの言葉を結びつけたものです。

輪廻とは

輪廻とは人や動物の生命は回転して元に戻る輪の軌跡のように無限に転生を繰り返すという、古代インド哲学から生まれた考え方です。

転生とは

それに対して転生とはまさに生まれ変わるということですが、たとえば無から生まれた生命が死後に別な生命に再生すると言えば、これは輪廻ではありません。これもまたあらためてご紹介することになると思いますが、近代になって欧米の心霊主義などから出て来た「リインカーネーション」はインド哲学発祥の輪廻とは異なるものです。

最近の日本で言えば、ライトノベルやマンガ、アニメの題材として転生がとても多く採用されています。作品によってその設定は様ざまですが、主人公が死んで別の世界(異世界)に転生するというケースも多く見られ、これも輪廻とは少し異なる転生の捉え方ということになるのでしょう。

 

 

世界中の多くの人が信じている輪廻転生

宗教心理学者の竹倉史人氏がその著書で紹介されているところによると、日本人の42.6%は輪廻転生を信じているということです。

これは40ヵ国以上が参加して行われる世界的な調査プロジェクトである「国際社会調査プログラム(ISSP)」の2008年の調査によるもので、日本人の4割以上が輪廻転生をあると思うと回答しているそうです。

日本は調査対象各国のなかの第8位で42.1%。1位はスリランカの68.2%で2位が台湾の59.4%、3位がイスラエルのユダヤ人で53.8%。そのほか南米の国なども上位にあり、欧米ではポルトガルが32.3%で15位、アメリカが31.2%で16位、オーストリアが30.9%で17位となっています。

輪廻転生、または転生という考え方は、キリスト教社会の南米や欧米とは異なるとても仏教的あるいはアジア的な考え方かと思いがちですが、世界各国で多くの人びとに信じられていることがとても意外です。

ちなみに1位のスリランカは仏教の源流である上座部仏教の国であり、台湾では輪廻転生制度のあるチベット仏教がとても人気が高いのだそうです。

仏教の国スリランカとは比べられないにしても、日本人の輪廻転生を信じる比率はとても高いと言えるのではないでしょうか。そこには、遥か古代からラノベやアニメの転生ものが支持されている現代にまでつながる、日本人の生と死に対する心のあり方が関わって来ているのではないでしょうか。

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