超弦理論…次元は11まで存在する?
人間の脳の機能の都合で、「五感で感じることのできない存在」であり続けている四次元世界は、今のところすべての人類が、実感として存在を感じたり、物理的に触れたり行ってみたりすることのできない世界として、捉えられています。しかし、こんにちも四次元の研究は続けられていて、研究における仮説は常に「四次元は存在しうる」、「四次元の存在は、理論上は立証できている」という前提で、組み立てられています。
あとは四次元を物理的に発見するのみ、という状況なのですが、現在のところ、どのあたりまで四次元の存在の検証が進んでいるのでしょうか。
超弦理論の存在
学問の世界では、長い間その正体をつかめていない、四次元の存在に対する新たなアプローチとして、「四次元が存在するとしたら、現在考えられている次元の概念が間違っている可能性もある、他に説明可能な方法はないのか」ということも、活発に研究されています。
そういった状況下で、近年有力視されているのが「超弦理論」という新理論です。詳細な説明については、理論自体が非常に難解であるため割愛しますが、結論としては「(人間が認識できないものではあるものの)従来考えられてきた次元は四つまでではなく、11次元まで存在する」と考えられているのが特徴です。従来法で存在を確認できている、三次元までの要素に加えて、時間軸をはじめとした「第四以降の要素」を加味すると、なんと11次元にまで到達する、というのです。
こういった「難解ではあるけれども、四次元の存在を立証することができるかもしれない推論」が、存在しています。
点ではなく弦の振動による次元の発生
四次元に関するかつての考え方、つまり「一般相対性理論と量子力学の組み合わせ」による次元の考え方では、物理的な事象の発生は、常に「点である」と考えられてきました。従って、空間の広がりをあらわす「次元」を説明するにも、常に「点と点のつながり」をベースに、四次元に至るまでの説明がなされていたのです。
しかし、未だ四次元を物理的な意味で立証できないことから、別のアプローチも必要とされており、そこに登した「超弦理論」では、従来型の「点」ではなく、弦楽器でいうところの「弦の振動」的なもので、次元を捉えなおしたのです。その結果、四次元を超える「次元」の説明も可能となり、従来の常識を大きく超える、11次元という仮の空間が、説明できるようになったのです。
しかし、「一般相対性理論」や「量子力学」の研究と同じく、「超弦理論」にも、四次元を説明するうえで、矛盾をはらむ要素が多々あり、これからまだまだ掘り下げなければならない要素を多分に残しているのが現況です。