> >

日本各地の獅子舞王国。栃木県、富山県、香川県!

獅子舞

獅子舞は日本で最も数の多い民俗芸能と言われるほど、全国各地で広く舞われています。そしてそのなかでも、わが県・わが町こそは“獅子舞王国”と標榜する地域がありますので、今回はそういった日本の獅子舞王国をご紹介してみたいと思います。

スポンサードリンク

 

 

風流系統獅子舞の王国・栃木県日光市

「風流踊系統」の「一人立獅子舞」が各地にある関東地方で、こここそが“獅子舞王国”だというのが栃木県日光市。栃木県内には50地区に獅子舞があり、なかでも日光市では21地区で獅子舞が行われるそうです。かつては県内で100ヵ所以上もの地区に獅子舞があったのだとか。

この地方の獅子舞は一人立の「三匹獅子舞」、つまり3人の演者がそれぞれ雄獅子2頭と雌獅子1頭となって舞います。三匹獅子舞にはいくつかの流派がありますが、栃木県では二大流派と言われる文挾(ふばさみ)流と関白流のそれぞれの発祥の地とされる場所があり、文挾流は旧落合村(現在は日光市)、関白流は旧上河内村(現在は宇都宮市)が発祥ということです。

日光市では特に栗山地域の9地区で獅子舞があり、8月のお盆から後半の時期を中心にそれぞれ複数日行われているようです。かつては1年間で80回以上も舞われていたのだそうで、わずか1,200人強の人口しかない栗山地域でこの獅子舞の密度は、たしかに獅子舞王国と言えるのかも知れません。

 

 

全国一の伝承数を誇る伊勢大神楽系統の獅子舞県・富山

わが県こそが“獅子舞県”というのが富山県です。富山の獅子舞は関東が主流の風流踊系の「一人立」獅子舞とは異なる「伊勢大神楽」系統の獅子舞。この「伊勢大神楽」系統は2人の演者が1頭の獅子を演じる「二人立」が主流ですが、富山県の獅子舞はそのほかに「百足(むかで)獅子」というものがあります。

百足獅子とは、獅子の胴体にあたる「カヤ」と呼ばれる胴幕のなかに何人ものひとが入って演じられる獅子舞で、演じられる地域によって異なりますが5人から10人ほどの演者である獅子方が入って激しく舞われるそうです。

獅子の相手をするのは「伊勢大神楽」系統らしく多くは天狗(猿田彦)で、なかでも下新川郡を中心とする県東部地域で伝承されている「下新川型天狗舞獅子」は、1頭の二人立の獅子のほかに8人から16人もの天狗が登場する特徴的な獅子舞です。

また富山県には、室町時代から江戸時代にかけて製作された「箱獅子」という四角く平べったい獅子頭が各地に遺されていて、この箱獅子が神輿などの先導・露払いを務めて練り歩く「行道獅子」という古い形式の獅子舞もあります。
富山県にはおよそ1,100以上の数の獅子舞が伝承されているそうで、その数は日本一と言えるのかも知れません。

 

 

西日本の獅子舞王国・香川県

西日本での“獅子舞王国”は香川県です。讃岐の獅子舞も「二人立」を主流とした「伊勢大神楽」系統、伎楽系の獅子舞で、最盛期には1,000から1,200の地区で伝承され、現在でも800ほどの獅子舞があるということです。

讃岐の獅子舞の特徴は地域によってバリエーションが多く、獅子頭も通常の張り子で作られた形態のもののほかに、毛獅子あるいは猫獅子と呼ばれる頭部に長い毛を植え込んだもの、また一刀彫の木彫の獅子もあります。

変わった獅子舞としては、東かがわ市で伝承されている「虎頭の舞」。これは名前の通り獅子頭が虎の頭になった大変珍しい「虎獅子」で、香川県内でも数頭が残るだけだそうです。また木田郡三木町には3頭の「大獅子」があり、なかでも天野神社のものは獅子頭の長さが3m、重さ320kg。獅子の胴体になる部分を香川県では「ゆたん(油単)」と呼び、そのは長さ26mで総重量は620kgにもなるそうです。

高松市では年に一度「獅子舞王国さぬき」というイベントが開催され、県内各地から60組を超える獅子舞が参加して舞いを披露します。

このエントリーをはてなブックマークに追加


スポンサードリンク
スポンサードリンク

Comments are closed.