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オズの魔法使い、ナルニア国物語など物語に登場する様々なノーム

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土と大地の精霊「グノーム(ノーム)」が、16世紀の錬金術師で神秘思想家のパラケルススによって「四大精霊」のひとつとして定義されて以来、地中に棲む小人というキャラクター性からか多くの物語や創作に登場することになります。

20世紀以降にはライマン・フランク・ボームの「オズの魔法使いシリーズ」やC・S・ルイスの『ナルニア国物語』、J・R・R・トールキンの一連の作品、そしてJ・K・ローリングの「ハリー・ポッターシリーズ」など、数多くの作品でそれぞれに異なるノームが描かれています。もっとも、別の記事で触れたハリー・ポッターのノーム(庭小人)は害虫なので、ちょっと種類が違いますが。

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地上世界の人びとを嫌うノームの王

「オズの魔法使いシリーズ」のノームは第三巻の『オズのオズマ姫』に登場し、地底世界の王国の住人で、醜い鬼の姿をしています。ノームの王は地底世界を支配し、岩石に含まれるあらゆるものを意のままにできます。しかし地上の人間が地下のものを採掘するので、ノームの王は地上世界の人びとを嫌っているのです。

ノーム王は、オズの国の西にあるエヴの国の女王と10人の子供たちを囚われの身にしており、主人公のドロシーは女王たちを救出するために地底世界へ行くのです。

 

魔女の奴隷となっている地底の精霊

『ナルニア国物語』では4番目の物語の「銀の椅子」にノームが登場します。

彼らは地下の洞窟にあるアンダーランドに棲んでいる地の精霊で、アースメンと呼ばれています。アースメンはすべてが小人というわけではなく、背丈の低いノームから人間よりも身長の高いものまでいて、また身体的な特徴も様ざまです。

彼らは緑の長衣を身にまとった貴婦人によって奴隷にされていますが、じつはこの女性はダークキャッスルの魔女だったのです。魔女はナルニア国のカスピアン王の息子リリアンを攫って地底の世界に囚われの身としていたのでした。人間の国からやってきたユースチスとジルは、魔女を倒し王子を救い出そうとするのです。

 

エルフ族の一種族で知性の高いノルドール

『指輪物語』など一連の作品を書いたJ・R・R・トールキンのノームは、妖精族のエルフの一種族として描かれ、小人ではなく一般的には背が高く、黒髪で明るい肌をした美しい姿で登場します。

彼らは知性が高く賢明ですが、誇り高い性格でかつ暴力的な傾向にもあり、多くは地下世界の都市や山の要塞に棲んでいます。

トールキンの初期の作品では地のエルフとしてノームと呼んでいましたが、後の作品ではこの種族に「ノルドール」という名称をつけました。その意味はトールキンが創作したエルフ語のクウェンヤで「知識を有する」「博識」といった意味なのだそうです。

このように多くの物語に登場するグノームですが、地底世界の住人であるという共通項以外、その姿や性格、役回りは様ざまです。

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