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アインシュタインの最期の宿題!ブラックホール衝突で重力波を記録

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アインシュタインが相対性理論を発表してから100年、この理論は、膨大な有識者がその正しさを肯定してきた、近代における重要かつ最大の真理のひとつに数えられています。

「20世紀最大の理論」といっても過言ではない相対性理論から派生して提唱されたブラックホールは、宇宙においてその存在が認められているものの、物理的には完全に証明されてはいませんでした。

しかし、ついにブラックホールの謎解明の糸口となる、重力波が記録された、とのことです。

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世界で初めて重力波を捉えた

ブラックホールが理論的に存在することを示す要素のひとつである「重力波」は、相対性理論としては存在していることが説明されていたものの、その規模の大きさ、さらにブラックホール発生から、その痕跡が地球上で検知されるために要する時間の長さから、実際に(物理的に)捉えられることは、これまでありませんでした。

しかし、2016年になって、ついに米国の物理学者のチームが、世界で初めて重力波を検知することに成功したのです。

 

ブラックホールの実在に一歩近づいた

まさに「世紀の発見」ともいえる、重力波の検知に成功したのは、米国マサチューセッツ工科大学のレイナー・ワイス名誉教授、同じく米国はカリフォルニア工科大学のバリー・バリッシュ名誉教授、キップ・ソーン名誉教授の3氏です。彼らは「LIGO」という、米国の重力波観測施設でチームを構成していました。

重力波は「アインシュタインの最期の宿題」との異名を持っていて、「重い質量を持つ天体同士が、衝突や合体をした場合に、天体の周りの空間に歪みが生じて、衝撃が波紋のように遠くまで伝わっていく」という現象です。重力波は、ブラックホール存在の根幹をあらわす事象である、といえます。

 

2017年のノーベル賞を受賞

アインシュタインが相対性理論として「予言」したこの事象は、100年以上の間、非常に多くの物理学者や数学者が解明や記録に挑み、その結果、一般相対性理論を構成する多くの要素はその正しさが解明されて、GPSなどの実用ツールに応用されてきたのですが、重力波だけは未確認のままでした。

今回捉えられた重力波は、太陽の数十倍も質量があるふたつのブラックホールが合体したため発生し、13憶年かけて地球にまで届いたものということで、人類史上大変に意義のあるものでした。このため3氏は、2017年のノーベル賞に輝いています。

重力波を捉えたことで、ブラックホール観測のための望遠鏡技術や、宇宙の謎を解明するための裏付け技術が、さらに進むことでしょう。

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カテゴリ: その他

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