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精霊とヨーロッパの「四大精霊」とは

ウンディーネ

「精霊」とは何でしょうか?
精霊は、古代世界ではおそらく世界中に存在していた考え方で、日本にももちろんありました。じつは日本では「精霊」という言葉には2種類の意味があって、ひとつは祖先の霊のこと。お盆の行事である「精霊送り」の精霊はそれで、「しょうりょう」と読みます。

もうひとつがファンタジー作品などに登場するいわゆる精霊で、動植物や岩、土など自然界の様々なものに宿っており、現世に現れたり空中に浮遊したりする存在のことです。
アニミズムや多神教の世界では精霊と神とには区別がなく、古代日本でも樹木や水、火や雷、海の潮や野原などには精霊が宿り、それは神であるとも考えられていました。

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ヨーロッパの精霊や妖精たち

ヨーロッパの古代でも精霊は様々に存在していて、その源流は神話世界から伝わっています。ギリシャ神話には、歌と踊りの好きな森の精霊「ニンフ」や、後に妖精の女王ティターニアと同じとされた月の女神「アルテミス」がいます。

ケルト神話では、死を予言するという「バンシー」や小人の靴屋「レプラコーン」、いたずら好きの「パック」や家事を手伝ってくれる「ブラウニー」。北欧神話では、妖精族の「エルフ」や「ドワーフ」が有名ですし、この世にある9つの世界のうち「アールヴヘイム」と「スヴァルトアールヴヘイム」は妖精の棲む世界とされています。

ちなみに精霊と妖精は、違うものなのか同じなのか?いといろと意見が分かれるところかも知れませんが、原初はすべて自然物に宿る精霊であり、実体化したり個性や場合によっては肉体を持った存在になると、妖精と呼ばれると考えれば良いのではないでしょうか。

 

 

四大精霊とは?

ヨーロッパでは近世になると、これらの精霊が大きく区分されるようになりました。それが「四大精霊」と呼ばれるもので、古代ギリシャ哲学から伝わる「四大元素」つまり火、水、空気(風)、土のそれぞれを司る精霊が存在するとされたのです。

この四大精霊を提唱したのは、16世紀のスイス出身の錬金術師であり医師、化学者あるいは神秘思想家のパラケルスス(テオフラストゥス・ホーエンハイム)という人です。パラケルススの思想では、自然は神から生みだされたものであり、その自然の四大元素から万物のすべてのものが生みだされたというものでした。

そしてその四大元素を司るものとして、火には「サラマンダー」、水には「ウンディーネ」、空気または風には「シルフ(シルフィード)」、土または大地には「グノーム(ノーム)」という4種類のエレメンタル・スピリット、つまり自然の霊である精霊がいて、それらは第五の元素として天界を満たしているとされた「エーテル」という物質でできた身体を持っているとされました。

それではこの四大精霊とは、それぞれどんな精霊たちだったのでしょうか。その姿や特徴を順に探っていくことにしましょう。

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