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ケンタウロスの故郷はいずこ?半人半馬の種族の謎

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上半身は人間で下半身が馬の種族「ケンタウロス」とはどこで生まれ棲んだ、どんな者たちだったのでしょうか?
多くの伝説のモンスターが、その源流がどこにあったのか?どこから生まれ出たのか?などを探るのに苦労するのですが、ギリシャ神話から生まれたケンタウロスは、じつはどこにいた種族なのかがはっきりとしているのです。

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ケンタウロスとカバの関係とは

ケンタウロスのふるさとを探る前に、ケンタウロスという名前について見てみることにしましょう。
名前のもとの言語はもちろんギリシャ語なのですが、半人半馬のケンタウロスは正しくは「ヒッポケンタウロス」といいます。ちなみに半人半ロバの「オノケンタウロス」、半人半獅子の「レオントケンタウロス」、半人半魚の「イクテュオンケンタウロス」、半人半竜の「ドラゴンケンタウロス」などという種族がいて、つまり半人半獣の存在はすべてケンタウロスと呼ばれたようです。

最もポピュラーな半人半馬のヒッポケンタウロスは、「ヒッポ」+「ケンタウロス」というわけですが、ヒッポ(hippo)といえば英語で動物の「カバ」を指す「Hippopotamus」を略して言うときに使いますね。ですが、ヒッポケンタウロスがもともとは半人半カバというわけでは決してなく、カバを漢字で「河馬」と書くように古代ギリシャでもカバは「ヒッポポタマス」と言い、またポタマスは川のことですから、古代世界の東と西で同じくカバとは川の馬と呼ばれたのです。

 

ケンタウロスという名前の由来とは

ヒッポが馬のことだとすると、それではケンタウロスとはどういう意味なのでしょうか。
古代ローマの軍隊の単位である「百人隊(ケントゥリア)」から来た、という説を解説している記事などもあります。ケントゥリア(英語ではセンチュリオン)はラテン語で「Centuria」ですが、ケンタウロスが同じくラテン語で「Centaurus」と書くので、勇猛な種族であることと合わせてそこから来たのかも知れません。

しかし古代ローマの百人隊は、王政ローマから帝政ローマに至る紀元前753年から紀元476年までの制度で、ギリシャ神話のケンタウロスはもっと昔から存在していたと思われますので、どうも納得がいきません。

別の説では、古代ギリシャ語で「牛殺し」または「牡牛を駆け集める者」という意味だというものがあります。これは「テッサリア」という土地に住んでいた、古代の牛追いの牧夫集団がケンタウロスと呼ばれていたのではないか、という説です。つまり、馬に乗って牛を追うカウボーイを想像すれば良いでしょう。

 

ケンタウロス族のふるさと?テッサリア地方

この説からすれば、ケンタウロスのふるさとはテッサリアということになります。

テッサリア地方とはギリシャ半島中部のエーゲ海に面したエリアで、ピンドス山脈を背に平原が広がる地域です。テッサリア地方の北東部にはマケドニアがあり、その境界には神々が住むオリュンポス山が聳えています。

テッサリアと言えば、吸血鬼の源流のひとつともされる吸血の儀式を行っていた「テッサリアの巫女」がいます。テッサリアの巫女は魔術を守護するヘカテーを祀っていましたが、そんな魔術的巫女やケンタウロスという半人半獣族が棲んでいた古代のテッサリアとは、どんな場所だったのでしょうか。もしかしたらそこは人間と神々や獣が同居する異世界だったのかも知れません。

ギリシャ神話でもケンタウロス族は、テッサリア地方のペリオン山というところに棲んでいる種族だとしています。ペリオン山(現在はピリオ山、標高1,610m)はエーゲ海沿いの東南部の山岳地域にあり、さらに南に行くと古代都市アテネへと至ります。

それではギリシャ神話では、ケンタウロスはどんな物語のなかに登場するのか。それについてはまた別の記事でご紹介することにしましょう。

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